広告デザインを考える際に、何と言っても重要なのが、ビジュアル・アイディアです。
ビジュアル・アイディアとは、どういったビジュアルを広告に掲載するか、ということです。
例えば、きれいな女の人の写真で注目を集める、ということもできます。
また、有名人の写真などでも、みんなの関心を集めるでしょう。
もしくは、イラストや、美しい風景写真でもいいでしょう。
こういうふうに、人の注意・関心を引き付けるものを掲載すると、広告に対する注目度も増します。
しかし、これらの方法では、現代では、なかなか注目を集めることができません。
なんといっても、これだけ、多くの広告があふれているので、正攻法だけでは、みんな、広告を見てはくれないのです。
そこで、ちょっと奇抜で風変わりなビジュアルをのせて、興味をひこうとします。
この時、どういうふうにひねって、見る人の注意を引き付けるのか。
これを考え、そして、答えを導き出すのが、ビジュアル・アイディアです。
これをデザイナーが考えることもありますし、アートディレクターが考えることもあります。
最近では、コピーライターやアートディレクターの考えを、きれいにまとめて表現するのが、グラフィック・デザイナーの役目となっているようです。
このような広告制作の流れや、ビジュアル・アイディアの出し方、といったものは、デザインの勉強だけをしていたのでは、なかなか出てきません。
もちろん、デザイナーですから、美しさについての感性はあります。
そのため、最初に紹介したような美しい写真などのビジュアルについては、選んだり、構成したりできます。
しかし、すでに述べたとおり、ただ単に「美しい」だけでは、多くの人は、広告に対して、振り向いてくれないのです。
やはり、広告は、お客さんとなる人に、見てもらわないといけません。
よく広告では、三つの壁、といわれるものがあります。
お客さんが、広告に対して持っている心の壁です。
これらをこえていかないと、商品やサービスを買ってもらうことができません。
その三つの壁が、「見ない」、「信用しない」、そして、「行動しない」です。
まず、これだけ、たくさん広告があふれていますから、そもそも、見てもらえません。
そして、広告を見ても、多くの人は、そこに書かれてあることを、信用しません。
そして、広告を見て、信用したとしても、購入という、最後の行動にまで踏み出す人は、本当に、ごくごくわずかなのです。
この中でも、やはり、広告を見てもらう、注目してもらう、というのが、とても大切であり、重要です。
なにしろ、見てもらい、その存在を知ってもらわないと、信用してもらう、買ってもらう、という次のステップに、進みようがないからです。
だからこそ、お客さんの注目を集めるようなビジュアルが広告に必要であり、そのためのビジュアル・アイディアなのです。
このような思考の流れは、デザインだけを学んでいては、なかなか身につきません。
私も、デザインだけを学んで、広告を作っていた時は、単に「きれいな」広告を作ろうと思っていました。
しかし、広告やセールス、そして、マーケティングなどを学ぶことで、広告にとって必要なことがわかるようになりました。
そうすることで、良い広告デザインとは何か、ということが理解でき、さらに良い広告デザインを作ることができるようになったのです。
ぜひ、デザインと広告を、バランスよく学び、良い広告デザインを作っていきましょう。
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