私は、今まで、デザイン、その中でも、グラフィック・デザインについて、語ってきました。
また、そのグラフィック・デザインを3つにわけ、それぞれについて、お話ししてきました。
その3つの分野というのが、「基礎デザイン」、「編集デザイン」、「広告デザイン」です。
この中でも、「基礎デザイン」に関しては、かなり多くの解説をしてきました。
正直、最初は、それほど多くを語る予定はありませんでした。
私の中では、基本的な知識、というか、あくまでも基礎であり、デザインを語り、学ぶための前提条件だと思っていたからです。
しかし、この段階で、多くの人が迷い、悩んでいることを知りました。
振り返って考えてみると、私も、デザインを学びはじめた当時は、この段階で、戸惑っていたことを思い出しました。
そのため、「基礎デザイン」について、さまざまな角度から、お話しをしてきました。
一方、あまり触れてこなかったのが「広告デザイン」です。
なぜかというと、「広告デザイン」は、難しい面があり、また、私自身も、いまだに勉強中だからです。
しかし、現代では、グラフィック・デザインと広告デザインは、密接な関係にあります。
なぜなら、グラフィック・デザインの主な活躍の場が、広告デザインだからです。
そのため、広告デザインについても、いずれ、きちんとお話ししたいと思ってきました。
ただ、「広告デザイン」を学び、マスターするには、どうしても避けて通ることができないことがあります。
それは、「広告」について詳しくなることです。
言われてみれば当たり前のこと、と思うかもしれません。
しかし、広告デザインをするグラフィック・デザイナーの中でも、広告について詳しいという人は、少ないと思います。
デザインについての知識やテクニックについては詳しくても、広告や宣伝、コマーシャルなどには、それほどでもない。
いや、むしろ、あまり触れないようにしていたり、無関心である人もいるようです。
これは、無理もないことかもしれません。
昔も今も、広告や宣伝に対して、拒否反応をしめす人が多いのです。
特にデザイナーの人は、自分の考え、自分の感性を大事にしますから、他から押し付けられるような広告という行為を嫌う傾向にあります。
しかし、私も、広告デザインについて勉強したり、実際に広告をデザインして作ってきた経験からいうと、広告について詳しくなることで、広告デザインもうまくなります。
なぜなら、広告デザインは、広告に対する深い理解と、しっかりとした知識と理論があるほうが、良い広告デザインを作ることができるからです。
逆に言うと、広告に対して何も学ばずに広告デザインを作ることは、無謀とも言えるでしょう。
広告デザインにおいては、広告に対する理解が大切、ということです。
もちろん、素晴らしい感性を持ち、ずば抜けたテクニックがあるグラフィック・デザイナーなら、広告について詳しくなくても、優秀な広告デザインができるかもしれません。
しかし、そういう人は、ごくごく一部であり、少数です。
そういう人だけで、全ての広告を制作することはできません。
やはり、しっかりとした広告を作ることができるデザイナーが、一人でも多く求められているのです。
それは、才能だけに頼らず、しっかりとした知識と、論理に裏打ちされたテクニックを持つ広告デザイナーです。
そういった人たちのお役に立つようなお話を、今後も、お話ししていきたいと思っています。
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