広告デザイン制作におけるコミュニケーションの重要性

 最近、広告デザインをしていた若い頃をふり返って、つくづく感じるのは、仕事のダンドリが、下手だったなぁ、ということです。

 広告デザインというと、デザイン・テクニックや、感性などが、重要視されがちです。

 だから、私も、デザインの勉強をする時は、そういう部分を、一生懸命、学んできました。

 しかし、社会に出て、仕事としてデザインを作っていると、それだけでは足りないなと、よくわかりました。

 結局、デザインも仕事というか、ビジネスですから、多くの人との関係性の上に成り立っているんですね。

 まずは、お客さんがいますし、営業さんがいて、デザインを管理したり、進行したりするまとめ役の人がいます。

 そして、デザインを作った後、そういう人達に見せて、了解を得ないといけません。

 そこから、印刷工程の人に渡しますし、さらに、印刷された広告を配送します。

 そういった製造工程のスケジュールもあります。

 そして、最後に、受け手である多くのお客さんに見てもらって、広告は、成立します。

 そういった、大きな流れ、というか、関係性の中で、デザインを作り、流通させている、といったことが、若い頃には、わかりませんでした。

 とにかく、目の前の、机の上だけで考え、自分の頭の中だけで、デザインを作り上げている部分がありました。

 その結果として、壁に突き当たるわけです。

 デザインの教科書や、流行の雑誌に載っているようなことを取り込んで、デザインをしてみても、OKをもらえない。

 または、せっかく作った広告デザインも、反応がイマイチで、クライアントからは不評をかう、という感じです。

 確かに、私の、デザインに対する感性や、デザイン・テクニックが、未熟だったということもあります。

 しかし、それはやはり、誰でも、若い頃はそうです。

 生まれた時から、デザイン・センスがバツグン、という人の方が珍しいでしょう。

 また、そういう恵まれた人以外は、デザイナーになってはダメ、ということもありません。

 そこは、やっぱり、勉強し、経験を積み重ねて、実力をつけていくしかないわけです。

 それには、やはり、デザインの仕事を続けて、実践を繰り返していくことが重要です。

 そのためには、デザインの仕事を、円滑に進めていくことが必要です。

 だからこそ、周りの仕事関係の人と、もっと、コミュニケーションをうまくとっていればなぁ、と反省するわけです。

 振り返って考えてみると、若い頃は、広告デザインを、自分一人の頭の中で、なんとか最高のものを作ろうと、もがいていたように思います。

 それも大事ですが、もう少し、他の人たちとコミュニケーションを取り、商品やサービスの情報を得たり、スケジュールの調整などをしたりすれば、よかったと思っています。

 そうすることで、デザイン制作のスケジュールにも余裕や幅が生まれ、よいデザインができたのではないでしょうか。

 それを続け、繰り返していくことで、デザイン制作の経験を積み重ね、結果的に、スキルアップにつながったように思うのです。

 だから、若いデザイナーの方には、ぜひ、周りの人と、コミュニケーションをとって欲しいと思います。

 私も、経験上、よくわかるのですが、やはり、デザイナーになろうという人は、個性が強く、自分中心です。

 もちろん、それは、クリエイティブな仕事をするうえでは、必要なことです。

 しかし、それでは、いつかは行き詰まるよ、と助言したいわけです。

 悩んだり、苦しんだりした時は、机やディスプレイから顔を上げ、隣や周りを見回してみる。

 そして、周りの人たちの様子を、見てみて下さい。

 さらに、思い切って、一言、声をかけてみる。

 そうすることで、解決できる事って、意外と多いような気がします。

 その結果として、素晴らしいデザインができるのであれば、デザイナーにとって、これほどの喜びはないでしょう。