私もそうなんですが、デザインを好きで、ある程度、デザインについて勉強していた場合、発想が、ビジュアル的になります。
どういうことかというと、つまり、ビジュアル、絵で考え、思いついてしまうんですね。
確かに、それを考えるのがデザイナーの仕事であるわけですから、そのスキルを磨いていけばいいわけです。
しかし、それでは、なかなか、うまくいかない時があります。
例えば、自分では良いと思っているビジュアルでも、なかなかクライアントに伝わらない時もあります。
また、自分では、良いビジュアルや、良いデザインを作ったつもりでも、それを見たエンドユーザーであるお客さんの反応が、イマイチの時があります。
そういう時は、発想方法を変えてみる、というのも一つの解決策となります。
つまり、絵、というか、二次元的というか、ビジュアルではなく、「ことば」で考え、発想してみる、ということです。
「ことば」で発想してみる、というのは、広告デザインにおけるコピーライティングの手法に似ています。
デザイナーは、ビジュアルで考え、コピーライターは言葉で考える、ということです。
「ことば」で考える利点はいくつかあります。
一つは、思考が明確になり、理論的になる、ということです。
ビジュアルの場合、どうしても訴えたいことが、あいまいになり、散漫になる傾向にあります。
人の注目は引きやすいのですが、そのあとの説明や説得、という部分では、やはり、「ことば」の方が有利です。
例えば、人を説得したりする時には、絵で説明するより、やはり、言葉を使って、なんとか納得させようとします。
確かに、ビジュアルと「ことば」は、それぞれの役割というものが違いますから、その時その時で、使い分ければいいわけです。
ただ、ビジュアルの発想で行き詰った時、「ことば」を使ってみるのも、有効な手段だ、ということです。
特に、ビジュアルを考えているデザイナーの人ですと、なかなか「ことば」からの発想をしている人が少ないように思えるので、試してみてはいかがでしょうか。
では、「ことば」からの発想力を鍛えるには、どうすればいいのか?
まずは、知っている「ことば」の数、そして、使いこなすことができる「ことば」の種類を増やすことです。
別の言い方をすると、語彙力をつける、ということです。
知っている「ことば」の数が増えれば増えるほど、「ことば」の表現力にも幅が出てきます。
それが、多彩な発想につながります。
また、コピーライティングの本を読んで、勉強してみるのもいいでしょう。
これらの本には、広告における「ことば」の力や、どのように機能しているのか、といったことを学ぶことができます。
そして、それらを使い、新たなビジュアルへと結びつけることもできます。
コピーライティングは、広告が誕生した時から、ずっと研究され、磨かれてきたテクニックです。
いかに人の心に訴え、そして、行動へ結び付けるか、という技術がつまっています。
デザイナーが広告を作る際にも、きっと役に立つ技術です。
ぜひ、積極的に学び、吸収していってください。
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