デザイナーにとっての、不都合な真実

 私は、デザイナー、特に広告を制作するグラフィック・デザイナーには、広告全般の知識があった方が、いいと思います。

 そのため、広告について学ぶことを、おすすめしています。

 具体的には、マーケティングであったり、コピーラインティングであったり、セールスなどの知識や技術のことです。

 そうすることで、自分が作成する広告デザインも、より素晴らしいものになる、と思うからです。

 しかし、最近は、もっとより積極的と言いますか、「学んだ方がよい」というような、あいまいな姿勢では、いけないのではないか、と感じるようになりました。

 それは、もっと重要なことで、「学ぶべきだ」という強い考えを持つようになりました。

 なぜなら、デザインという技術だけでは、食べていくのは、難しいと感じるようになったからです。

 一昔前までは、デザインの技術というのは、専門的で、独占された技術でした。

 だからこそ、デザイナーというのは重宝され、その職業で、お金を稼ぎ、食べていくことができたのです。

 しかし、技術の進歩が、それをくつがえしました。

 一見すると、デジタル技術の進歩は、デザイナーの仕事を助けてくれましたが、それが急激に成長すると、デザイナー自体の仕事を脅かすようになったのです。

「いやいや、いくら技術が進んでも、クリエイティブな仕事は、やはり、人間の仕事でしょ」と、思われるかもしれません。

「いくら人工知能(AI)が、出現しても、結局は、デザインのような創造的な仕事は、人間であるデザイナーでなければ、できない」、と。

 確かに、そうかもしれません。

 しかし、私が感じているのは、デジタル技術が普及したためにおこる、テンプレートによるデータ化と、Web技術による広がりです。

 例えば、アドビ社のイラストレーター。

 このアプリケーションを使う人も多いかもしれませんが、実は、イラストレーターには、優れたテンプレートが、多数、存在します。

 それらを素材にして使うことで、ある程度のクオリティをもったデザインを作ることができます。

 そして、Web技術を使えば、遠く離れたデザイナーにも、仕事を発注できますし、共同で仕事もできます。

 それは、日本国内の地方在住のデザイナーだけには、とどまりません。

 海外にいるデザイナーとも、仕事ができます。

 ちなみに、発展途上国といわれる国にいるデザイナーの人達は、日本のデザイナーとは、比べものにならないほど、安い賃金で、デザインをしてくれるそうです。

 そういう事実を考えると、もはや、デザイナーも、デザインだけで、食べていくのは、難しい時代のなったのかもしれません。

 だからこそ、広告についての知識や技術を学ぶ必要があると思うのです。