私のネット古書店では、『別冊アトリエ』の技法書を、いくつもご紹介しています。
これは、私がデッサンやデザインの勉強をする時に、非常に役に立ったからです。
ただ、私も、リアルタイム、つまり新刊として『別冊アトリエ』と出会ったわけではありません。
古書店で、デッサンやデザインの本を探しているうちに、めぐり会ったのです。
『別冊アトリエ』をご紹介する理由は、いくつもあります。
その中で、やはり、一番の理由は、「本物の」技術が解説されているということです。
本物とは、何か、ということについて説明しましょう。
例えば、『別冊アトリエ』のデッサンの技法を解説している本では、美大でデッサンの授業や指導をしている先生が、執筆されています。
そのため、美大ではどのようなデッサン力が必要とされているのか、また、それらを身につけるには、どうしたらいいのか、ということが、よくわかります。
また、それぞれ、解説している先生によって、教え方や、その技法に、こだわりや違いがあるのも興味深いところです。
また、その当時では珍しく、写真をたくさん掲載している、という点も見逃せません。
デッサンやデザインの技法解説は、どうしても、実際の手の動きや、描かれた作品など、文字ではなく、画像でなければ伝わらない、といったものが多いのです。
そこで、『別冊アトリエ』では、技法の各工程を、写真を使って解説しているわけです。
また、それが、しっかりとポイントを押さえているため、非常にわかりやすいのです。
また、特長の一つとして、本の薄さというものがあります。
これは、それぞれのテーマごとに、一冊にまとめているため、シンプルになっている、ということです。
そのため、初心者の方にも、手にとりやすくなっています。
他のデッサン書では、本によって、何百ページにも及ぶものがあったりします。
そうなると、なかなか始めにくいですし、途中で挫折したりしてしまいます。
その点、『別冊アトリエ』では、エッセンスがまとめられていますので、わかりやすく、あっという間に、最初から最後まで、理解できるのです。
このような『別冊アトリエ』ですが、今では、あまり、こういった本は作られなくなりました。
もしかしたら、あまりにも、プロ向けの技術の解説ばかりになったため、多くの人には、受け入れがたかったのかもしれません。
それもそのはずで、『別冊アトリエ』は、本当にデッサンがうまくなりたい、本物のデザイナーになりたい、といった人向けに書かれた本なのです。
趣味や好奇心から、デッサンやデザインに興味がある、という人には、厳しすぎる内容なのです。
しかし、本気でデッサンやデザインを学ぼうとする人にとっては、とても役立つ本です。
しっかりとした技術を求めている人には、しっかりとこたえてくれる内容となっています。
本気の人だけに、お薦めするのが、『別冊アトリエ』です。
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