グラフィック・デザイナーが、広告デザインをおこなっていると、ついつい、見た目、つまり、ビジュアルだけに、こだわりがちです。
確かに、ビジュアルを担当するのが、デザイナーの役割ですから、それも、間違った行為ではありません。
しかし、広告を作る一人として、やはり、ビジュアルだけでなく、広告全体を理解しておいた方が、良いデザインが生まれます。
広告を理解するには、やはり、マーケティングやコピーライティングに対する知識や理解が必要です。
確かに、そういったものは、それぞれの専門家にまかせておけばいい、という意見もあります。
でも、私は、グラフィック・デザイナーも、そういったことについて、理解しておいた方がいいと思うのです。
もちろん、自分の専門領域であるグラフィック・デザインについての知識や技術があるのは、当たり前です。
しかし、そういったものは、他のデザイナーももちろん、身につけています。
したがって、他のデザイナーと差をつけるというか、違いを出すためには、マーケティングやコピーライティングに対する知識を身につける、という方法が有効です。
多くのデザイナーは、自分の専門領域の勉強や技術を磨くために一生懸命で、なかなかそういった広い視野、というものを持つことができません。
確かに、少し昔のデザイナーなら、職人気質といいますか、専門の知識や技術を深めるだけでよかったかもしれません。
そういった専門分野を極めるだけでも、かなりたいへんなことですから。
しかし、現代のように、情報が大量に流通し、専門技術も、デジタルへと移行しています。
そうした時代にあって、デザインの専門知識だけを追い求めて、そこで差をつける、ということは、かなり困難になっています。
そうであるならば、デザインの知識だけでなく、マーケティングやコピーライティングの知識や技術を身につけるという手段も、有効ではないでしょうか。
情報化社会とデジタル時代にあっては、自分の領域を守るのは難しくても、他の領域を攻めやすくなっています。
私がお薦めするのは、コピーライティングです。
なぜなら、広告は、やはり言葉から成り立っているからです。
コンセプトにしろ、広告戦略にしろ、言葉によって、まず明確にされます。
それをビジュアルであったり、ヘッドコピーであったりという、表現、つまり手段によって、受け手へ届けるわけです。
広告のコンセプトを言葉で表現するのが、コピーライティングであり、ビジュアルで表現するのが、グラフィック・デザインといってもいいでしょう。
このように広告の基礎となるのが、コピーライティングです。
ぜひ、広告を作成するグラフィック・デザイナーの方にも、コピーライティングに関心を持っていただきたいと思います。
最初は、ちょっと難しく感じるかもしれませんが、実際に学びはじめると、おもしろい分野で
す。
また、コピーライティングを理解すると、効果のある広告、結果につながる広告というものを作ることができます。
単純に、見た目がきれい、美しい、というだけの広告とは、また違った次元の広告へと進化することができるのです。
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