広告デザインをするにあたって、広告の仕組みや役割について、知っておいた方がいいと思います。
もちろん、デザイナーの役割は、広告のビジュアルです。
しかし、最近では、基本的なノウハウやテクニックは、極端な話、誰でも、一定水準なら、できるようになりました。
別の言い方で言うと、見かけを良くすることは、それほど難しくなくなった、というわけです。
ですから、デザイナーも、さらに勉強して、腕を磨いていかなければなりません。
それは当然ですし、デザイナーとしての王道だと思います。
ただ、なかなか正面突破だけでは難しい。
そこで、デザインの知識や技術だけでなく、媒体というか、手段としての広告についても詳しくなった方がいいのです。
やはり、一緒に広告を作るコピーライターや、アートディレクターも、広告について理解が深いデザイナーの方が、仕事をしやすいでしょう。
また、そういうデザイナーの方が、より良い広告を作ることができます。
まあ、最初は、そう難しく考える必要もなく、少しずつでもいいですから、勉強していけばいいわけです。
「本業」であるデザインの勉強も、しなければならないですからね。
私が、広告について、少し勉強し始めた時に、気が付いたことがあります。
それが、マーケティングとセールスの違いです。
それまで、私は「モノを売る」という活動は、一つの流れだと思っていました。
しかし、ちょっと勉強してみるとわかるのですが、その「モノを売る」という流れは、大きくわけると、マーケティングとセールスに、わかれるのです。
つまり、同じ広告を作るにしても、それがマーケティング的な役割を持つ広告なのか、それとも、セールスに重点を置いた広告なのかで、大きく違ってくる、というわけです。
では、マーケティングとセールスは、どう違うのか?
これは、あくまでも私の理解なので、専門的な解説や、学術的な定義などとは、ちょっと違うかもしれません。
私は、マーケティングは、「目の前にお客さんを連れてくること」と理解しています。
つまり、お客さんの興味をひき、自分の商品に注目させる、というわけです。
その次に、セールスの段階に入ります。
セールスは、そのものずばり、「目の前のお客さんに、商品を売る」という段階です。
ご存じのとおり、現代では、なかなか、モノが売れにくくなっています。
みなさん、必要なものは持っていますし、それほど、技術革新が進んで、新商品が次から次に出てくる、というわけではないですからね。
特に、買いたいものや、欲しいものもない、という状態です。
また、販売者も、たくさんいますから、どこからでも、誰からでも購入できる、というわけです。
そういう時代にあって、モノを売っていくわけですから、単純に「セールス」だけをしていても、そうそう売れないわけです。
そこで「マーケティング」という段階があるのです。
この段階を、うまくおこなうことができれば、次の「セールス」が、スムーズに進みます。
それこそ、買いたいという人だけ集めれば、なにも言わなくても、商品を提示するだけで、どんどんと売れていくわけです。
これが、「マーケティング」の理想ですね。
つまり、同じ広告をデザインするにしても、最低限、マーケティングとセールスの違いぐらいは、知っておいた方がいい、というわけです。
私は、長い間、この違いがわからず、的外れな広告を作ってきて、苦労しました。
そのような失敗をしないためにも、さらにマーケティングやセールスについて、学び、研究してみて下さい。
現代では、これに、Webやソーシャル・メディアなどもからんできて、難しく、いや、おもしろくなっていますから。
このようにして、マーケティングとセールスの違いを理解することで、もっともっと素晴らしい広告を、デザインすることが、できるようになりますよ。
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