デザインを学ぶために、美大・芸大に入学することについて

デザイン 基礎知識

 そもそも、最初は、美大や芸大の入試について解説する予定でした。

 その中の実技試験、特にデッサンについて、そのポイントや準備について、お話しするつもりだったんです。

 

 でも、よくよく考えてみると、はたして、デザインを学び、デザイナーとなるために、美大や芸大に、本当に入学する必要があるのか、と疑問に思えてきました。

 そう思っている人も、もしかしたら、少しはいるかもしれないので、その点について、まずは、語ってみようと思います。

 

 思えば、受験用のデッサン技法について、今まで、多くを語ってきながら、この根本的な問題については、あまり話してきませんでした。

 なぜなら、正解は、ないからです。

 いや、それぞれの個人においては、正解はあるかもしれませんが、誰にでも通用する、たった一つの正解は、ないと思うのです。

 そのため、今回、お話しする内容も、あくまでも、私が、現時点で、正解と思えることですから、参考程度に、気楽に読んでもらえると、ありがたいです。

 

 前置きが長くなりましたので、結論から先に言ってしまうと、私は、アリだと思います。

 つまり、デザインを勉強するために、美大や芸大に入学して、勉強することは、デザイナーという夢を実現するために、有効な方法だと思うのです。

 

 と、言っておきながら、それを否定するようでなんですが、もちろん、それ以外の方法もあります。

 そもそも、そういった専門教育を受けずに、デザインの仕事をされている人もいます。

 また、大学以外にも、専門学校や、デザイナーのアシスタントをしながら勉強する、という方法もアリでしょう。

 

 ただ、私は、デザインを大学で勉強して、無事、デザインの仕事につけたので、あくまでも、経験からいうと、大学でデザインを学ぶ方法も、非常に有効だ、と思うのです。

 そもそも、それ以外の道を通ってこなかったので、経験をふまえて、お話しすると、そういうことになるわけです。

 私の場合、浪人することなく、なんとか現役で合格できましたし、一度、社会に出た後になるんですが、大学院にも入学し、無事、卒業できました。

 こういう人間が経験談を語るのも、もしかしたら、迷っている人の参考になるかもしれないと思い、今回、このようにして書いているわけです。

 

 ただ、そうは言っても、もちろん、それ以外の方法を、否定しているわけではありません。

 昔、ある人に、「デザイナーというのは、別に資格試験や免許があるわけではない」と言われました。

 つまり、極端な話、自分でデザイナーと名乗ってしまえば、デザイナーなわけです。

 それだけ、デザインという世界が広い、というわけですが(そもそもデザイナーの定義自体が、難しいわけです)、そうなると、どうやってデザイナーになるか、という問題は、さらに難しくなります。

 そのための有効な方法の一つとして、美大や芸大に入学して、デザインを学び、デザイナーになる、という道があるわけです。

 

 デザインを大学で学ぶことで、いいことは、いくつもあります。

 思いつくままに、書いてみましょう。

 

 一つは、やはり、環境ですね。

 正直、普通の生活というか、暮らしでは、デザインに興味を持っている人、というのは、ほとんどいません。

 さらに、自分で、良いデザインを作ってやろうとか、そもそも、良いデザインとは何だろう、と考えている人なんて、まずいないでしょう。

 でも、美大や芸大のデザイン学科やデザイン専攻に入ると、周りは、そういう人たちばかりです。

 また、授業も、朝から晩まで、デザインを学ぶことに絞り込んだ授業ばかりになります。

(もちろん基礎科目や一般教養もありますが、それもデザインに役立つようになっています)

 そういった環境に身を置くだけでも、非常に素晴らしいことです。

 まさに、雰囲気が違う、ということですね。

 

 そして、これは、人によっては気分を害するかもしれませんが、やはり、学歴、というものがあります。

 今は、昔ほどではありませんが、やはり、大卒かどうかは、社会に出て、仕事をしていくうえで、影響してきます。

 もちろん、そういった学歴社会に対して、疑問を持っている人もいますし、先ほど、書いたように、別に学校を出ていなくても、デザイナーになろうと思えば、なれるわけです。

 ただ、私も、ある程度、デザインの仕事をしたり、それ以外の仕事をしてきた社会経験からいうと、まだまだ、世間の人というか、社会の一般的な人の目は、学歴を、一つの物差しにしています。

 それは、事実として、お話ししておかなければなりません。

 また、親御さんや学校の先生に対しても、デザインを学ぶ、ということよりも、大学に進学する、という話の方が、賛成を得られやすいと思うのです。

 まあ、あまり積極的な意見ではないかもしれませんが、こういう見方も、少しはお話ししておいた方がいいでしょう。

 もちろん、大学での教育ですから、内容はトップレベルのものです。

 でないと、あれだけ高い入学金や授業料の説明がつきませんからね。

 

 デザインを、美大や芸大で学ぶメリットについて、思いつくまま、書いてみました。

 なんだか、まとまりのないものになりましたが、その分、普段とは違った、おもしろいものになったように感じます。

 

 できれば、もっと具体的に、大学でのデザインの授業内容とか、雰囲気とかも、お知らせできればよかったですね。

 私が卒業してから、かなり時間も経過していますが、いずれ、そのような話もできたら、と思っています。

 

 ようは、美大や芸大を受験するにしろ、それ以外の道に進むにしろ、まずは、自分の納得のいく方法を探し、見つけるべきです。

 あとは、その道を、進んでいくという行動に移るべきです。

 迷うことはしかたがないし、むしろ必要ですが、解決策を見つけていきましょう。

 その手助けができればと思い、今回、このような文章を書いてみました。

 少しでも、参考になれば幸いです。

 

 

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