グラフィック・デザインにとって、なくてはならないものが、色彩です。
現在では、カラー印刷やカラー画像が普及しているため、色を、かなり自由に使うことができます。
そのため、安易に、というか、気軽に色を使って、デザインなどをしてしまいがちです。
特に、まだ、あまりデザイン技術を習得していない人は、色を、どんどんと使ってしまいます。
自分の好きな色や、思いついた色を使って、作品を作るのですが、その場合、なかなか、うまくはいきません。
色彩に関しては、ただ闇雲に使って、派手にすればいい、というものではないからです。
では、どのようなことに気をつけながら、デザインにおいて、色を使っていけばいいのでしょうか。
まず、グラフィック・デザインにおいて、色は、形を持ちます。
つまり、色単体で成り立つのではなく、その色がどれくらいの面積をしめるのか、また、どのような形をもっているのか、ということが重要です。
例えば、同じ色でも、丸い形と、三角形では、受けるイメージが変わってくるでしょう。
また、小さなドットのようなものと、大きな円だと、やはり、受けるイメージは、ずいぶんと違ってきます。
つまり、色を使うにあたっては、単に色だけに注目するのではなく、その他の要素も、考慮に入れないといけない、ということです。
そこで、大切になってくるのが、色彩構成なのです。
デザインの初歩を学ぶ場合、色は、「色彩構成」として、学習します。
つまり、構成という要素と、しっかりと結びついてこそ、色は、デザインの中で活きてくるのです。
したがって、これから色彩について学ぼうとする人は、構成やレイアウトについても、学ぶ必要があります。
これらの中で、うまくバランスをとれてこそ、色彩は、その本来の働きをして、デザイン全体が、素晴らしいものになるのです。
ただ、こうやって聞くと、もしかしたら、大変だ、と感じる人もいるかもしれません。
色彩の使い方だけでなく、形や構成まで学ばないといけなくなると、なんだか、時間がかかりそうです。
でも、安心してください。
きちんと、手順を踏んで色彩構成を学んでいくと、着実に、色彩感覚は身についてきます。
それには、やはり、確かな学習方法というものが必要です。
それを教えてくれるのが、このような本なのです。
⇒『デザイナーのための色・イメージ・構成』(寺町保夫・田口敦子・阿部隆夫著、アトリエ出版社)
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