今まで、編集デザイン(エディトリアル・デザイン)の舞台であった紙の雑誌は、減少傾向にあります。
紙に印刷された雑誌を読む人が少なくなったので、当然、雑誌も少なくなります。
ということは、雑誌を作る人、つまり、編集デザインを仕事にするデザイナーも、少なくなる、ということです。
これは、非常に大変なことです。
編集デザインの仕事が減るということは、それに関わるテクニックも衰退してしまうからです。
そうなると、技術の継承も難しいですし、新しい試みや、実験的なデザインをする人も、少なくなるでしょう。
ただ、これも、考え方を変えると、違った面が見えてきます。
編集デザインの仕事が少なくなり、デザイナーも、少なくなる。
これを逆に考えると、希少価値が出てくる、ということです。
おそらく、どんなにネットが発達しても、紙に印刷された雑誌が、まったくなくなる、ということはないでしょう。
私は、おそらく、ある程度まで減少傾向が続いた後、どこかで、底打ちをすると思っています。
その時、残っていた雑誌や、デザイナーは、編集デザインにおいては、まさに、「本物」と言っていいでしょう。
そうは言っても、これからは、まだまだ、編集デザインの分野は、縮小していきます。
そんな時代を、どのようにしたら、生き残っていけるのか?
これは、もう、きちんと編集デザインを学び、正しいテクニックを身につけたデザイナーだけが、残ると思います。
やはり、いつの時代でも、豊かな知識と、優秀な技術を持つデザイナーが、生き残っていくのです。
デザインというのは、表面的で、浮ついたものではなく、やはり、それだけ、しっかりとした裏付けがあって、はじめて成立するものなのです。
では、どうしたら、肝心の知識や技術が、身につくのか?
現在では、雑誌がどんどんと減少し、参考にしようと思う編集デザインが、なくなっていっているのです。
そこで、私は、過去の編集デザインを学ぶことを、お薦めします。
まだ、雑誌が、多くの人に支持され、大きなインパクトを持っていた時代。
はたして、たくさんの人々を魅了し、影響をあたえた編集デザインとは、どういったものだったのか?
今では、想像できないぐらいの人が手にとり、そして、目をキラキラさせて読んでいた時代。
そのような時代に編集され、デザインされた雑誌は、きっと素晴らしいものを持っています。
そこから、編集デザインのエッセンスを学び、身につけるのです。
そうすることで、本物の編集デザインをマスターすることができます。
編集デザインの活躍の舞台が少なくなった、といって、悲しむ必要はありません。
しっかりと、過去のデザインを勉強し、真の実力をつけるのです。
そうすることで、現在の人を魅了するデザインを生み出すことができます。
その結果、過去から現在へ、編集デザインの技術は、継承されます。
そして、その先に、雑誌や編集デザインの未来があるのです。
コメント