レイアウトをおこなう具体的な方法として、一番、有名なのは、グリッド・システムでしょう。
縦横に規則的な基準を持たせ、その基準に沿って、文字や図を配置していく、というものです。
おそらく、デザインの勉強をされたことがある方は、直接、学んだり、言葉自体は、聞いたりしたことが、あるかもしれません。
私自身も、若い頃、グリッド・システムを学んだ経験があります。
しかし、今、振り返ってみると、もう少し、気合を入れて、しっかりと勉強しておけばよかった、と反省しています。
まあ、歳をとると、学問全般に、そういう思いをいだくものですが、ことグリッド・システムについては、ちょっと、思うところがあるのです。
グリッド・システム、というのは、モダン・デザインの流れをくむものです。
モダン・デザインというのは、ざっくり言ってしまうと、「機能的」であることを重要視したデザインの考え方ですね。
基本的に、20世紀は、このモダン・デザインが、デザイン全般の中心的な考え方だったと思います。
ただ、私が、デザインを学びはじめた頃に出てきたのが、ポスト・モダンという流れなんです。
いわゆるモダン・デザインからの「脱却」というものを目指したわけです。
まあ、そのポスト・モダンの考えも、一段落したころに、デザインを学んでいたので、ポスト・モダンの直接的な影響は、それほど受けなかったとも言えます。
しかし、よくよく考えてみると、モダン・デザインも、中途半端に学び、ポスト・モダンも、よくわからないまま、過ごしてしまった、というのが、正直なところでしょう。
ただ、やっぱり、社会に出て、実際にデザインを仕事とすると、基本となる考え方や技術の重要性を、肌で感じました。
だから、改めて、勉強し直したのです。
その過程で、モダン・デザインの重要性や、グリッド・システムの有効性に気が付きました。
確かに、実社会のデザインの仕事は、考え方や理論だけでは、やっていけません。
いかに高等な知識や技法を知っていても、それを、実際の仕事に使えないと、何にもならないからです。
しかし、目の前のレイアウトに悩んでいたり、デザインの仕事に対する悩みがあったりする時は、やはり、基本にかえるべきだと思うのです。
そのきっかけとして、レイアウト技術としてのグリッド・システムは、非常に有効だと思います。
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