本や雑誌の編集などに関わるエディトリアル・デザインでは、レイアウト技術が重要です。
レイアウトが良くないと、いくら素晴らしい記事や写真、イラストでも、まったく、その魅力を活かすことができません。
そのようなレイアウト技術ですが、やはり、昔から、その重要性は変わりません。
そのため、紙に印刷した本や雑誌をデザインする時にも、その理論や技術が、ずっと使われてきました。
昔から、いかに、素晴らしく見せるか、ということに対して、レイアウトの技術も、研究されてきたのです。
そして、もちろん、それは、今でも、十分、通用します。
紙の本や雑誌をデザインする時はもちろんですが、Webデザインなどでも、応用可能です。
アナログ時代に培われてきたレイアウト・テクニックは、Webデザインでも有効なのです。
私は、両方の時代を知っていますから、それぞれの時代で得たレイアウトの知識を、ぜひ、お伝えしたいと思っています。
アナログとデジタルの橋渡しができると、とてもうれしいです。
一見すると、紙に印刷されたものと、デジタル技術を使ったWebデザインでは、かなり違いがあるように感じるかもしれません。
しかし、どちらも、同じ人間が見るものだ、という観点から見ると、共通するものもありますし、利用できる技術も、たくさんあります。
例えば、人の視点に注目し、それにそったレイアウトをする、というテクニックがあります。
雑誌では、写真によって、視点を誘導します。
そこに、色を加えたり、いくつかの写真を配置することで、リズムを生み出し、視線を先へ先へと進ませます。
もちろん、これらは、Webデザインでも、有効です。
Webデザインでは、実験と計測が素早くできますから、より、視点の動きというものが、とらえやすくなります。
Webをデザインする際に、よく言われる「Zの法則」や「Fの法則」も、検証をもとに生み出されたレイアウトの基本なのです。
このように、時代や環境が変わっても、基本である原理原則は不変です。
それらを、きちんと学び、そして、きちんと身につけ、さらに、きちんと使いこなせるかどうかが、重要です。
なぜなら、それが良いデザインを、作り出せるかどうかに、深くかかわってくるからです。
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