編集デザインで、使用されるレイアウトの代表として、グリッドシステムがあります。
これは、一つの誌面の中で、「ユニット」を作り、それを一つの単位として、構成していきます。
つまり、誌面をいくつかのエリアに分け、それを組み上げていく手法です。
日本の畳や、ユニット家具を思い浮かべてもらうと、想像しやすいかもしれません。
「ユニット」を使用したレイアウトは、もともとは、モダン・デザインの流れから来ています。
機能美を追求したプロダクト・デザインやモダン建築の思想ですね。
確かに、ここまで、すっきりと理論化すると、わかりやすいのは、確かです。
見る人にとっても、情報や要素が、非常に整理されているため、見やすい、と思います。
しかし、実際に作る側、デザイナーの立場からグリッドシステムを使うと、非常に奥深いものがあります。
確かに、デザインしやすいことはしやすいのですが、その規則性を、体感覚として会得するのは、やはり、時間がかかります。
これは、タイポグラフィでも、同様です。
実は、タイポグラフィも、グリッドシステムとつながっています。
例えば、タイポグラフィの世界では、有名なエミール・ルダー著『タイポグラフィ』という本があります。
ここで語られている考え方は、モダン・デザインの流れの一つです。
そして、グリッドシステムを詳細に語った本、ブロックマン著『グリッドシステム』と相通じるものがあります。
つまり、編集デザインにおいては、タイポグラフィも、レイアウトも、つながりがあるということです。
そのため、基礎的な部分を、しっかりと理解し、自分で使うことができるようになる必要があります。
そうすることで、編集デザインの技術が向上していくことでしょう。
ポイントは、やはり、論理的であり、理論的である、ということです。
これは、理屈さえ理解すれば、誰にでも応用可能ということです。
理論的な手法や技法は、勉強すれば身につけることができます。
天才や、センスのいい人しか、使いこなせないようなものは、理論的とは言いません。
したがって、編集デザインは、やはり、学び、練習することによって、上達する技術なのです。
もちろん、感性豊かで、感覚的な手法を、否定するわけではありません。
しかし、そういった、今一つあやふやで、正体がはっきりしないものにチャレンジするよりも、しっかりと理論化されたものの方が、学びやすいと思います。
また、理論的な手法は、結果というか、目指すべきゴールというものも、明確に示されています。
その分、わかりやすく、学びやすいとも言えるのではないでしょうか。
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