デザインを学ぶ方法は、いくつもあります。
最初に思い浮かぶのは、良いデザインを見る、ということでしょう。
良いデザインをたくさん見て、自分の感性を研ぎ澄まし、自分も、良いデザインを生み出す。
これが、デザインの好循環かもしれません。
確かに、それで、良いデザインを生み出すことができれば、その方法が、最良でしょう。
しかし、私の場合は、そう簡単ではありませんでした。
良いデザインというものを見ても、よくわからなかったのです。
いや、よく理解できなかった、と言った方がいいでしょう。
確かに、良いことは、なんとなくわかるのですが、それが、なぜ、良いのか、ということが、わからなかったのです。
しかし、他の人を見ていると、かっこいいとか、素晴らしいとか、言っています。
そういう言葉を聞くと、やっぱり、これは、良いデザインなんだな、とは、思うわけです。
しかし、どうも、腑に落ちないというか、納得はできなかったわけです。
よく、デザインは、頭で考えるんじゃなくて、心で感じろ、と言われます。
つまり、理屈や理論ではなく、感性やセンスで感じるものだ、と。
でも、私は、それだけだと、なんだか漠然とした印象を受けました。
それに、感じるだけだと、いざ、自分でデザインをする時に、どうしていいのか、よくわからなかったのです。
このように感じるのは、自分が芸術方面からデザインにアプローチしたのではなく、工学方面から、デザインを学んだ、ということも、影響しているかもしれません。
そんな風に感じていた自分にとって、デザインを学ぶための有効な手段が、本でした。
あ、もちろん、デザインの学校での授業や実技も、おおいに勉強になりました。
その手前の、デザインとは何か、デザインを、どのようにして作り出すか、という、もっと手前の基本的なことについて、です。
やはり、本ですと、文章ですから、どうしても、理屈や理論が中心になります。
そうして、デザインを文章から学ぶことで、理論立てて、理解することができました。
確かに、中には、哲学的なものや、詩的なものもありましたが、きちんと順序立て、良いデザインの理由や根拠、といったものを説明してくれました。
そのため、頭で考え、そして、理解することができたのです。
そうすると、驚くことに、心でも感じることができ、感性も高まっていきました。
今から思えば、自分は、頭という別の道を通すことで、最終的に、心でも、デザインを理解し、感じることができたのかもしれません。
デザインを学ぶ方法の一つとして、本は、有効な手段として、おすすめです。
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