グラフィック・デザインにおいて、文字をあつかうタイポグラフィは、非常に大切です。
では、そのタイポグラフィを、うまくあつかえるようになるには、どうしたら、いいでしょうか?
私も、いろいろ考え、何度も実践してきた結果、ある程度のポイント、というものが見えてきました。
それをまとめると、3つのポイントに絞られます。
まず一つ目は、観察です。
これはなにも、タイポグラフィに限った話ではありません。
やはり、自分が良いと思うデザイン、良いと思うタイポグラフィを、じっくりと観察すべきです。
なぜ、それが美しく見えるのか?
なぜ、デザイナーは、このファントを選んだのか?
はたして、自分だったら、このフォントを選ぶだろうか?
もっとデザインを良くする改善点は、ないだろうか?
特にタイポグラフィの場合、その文字の意味というか、内容に、目が行きがちです。
その他の部分、つまり、文字の形や種類、そして、並びなどにも注意を向けるべきです。
そういった視線を持ちつつ、先ほどのような問題意識を持つと、ぐっとタイポグラフィに対して、関心が高まります。
そうすることで、なにより、タイポグラフィに興味を持つようになるでしょう。
そして、2つ目の視点は、やっぱり、実践ですね。
タイポグラフィも、実際に自分の頭で考え、そして、手を動かし、自分のデザインの中で活用してみる。
これがやはり、最短で最大の学習方法です。
特にデザインの場合、知識だけでなく、実践で活かすことができてこそ、真の技術ということになります。
実際にデザインする段階で、いろいろ考え、さまざまなタイポグラフィを選び、そして、一つのデザインを完成させる。
これの繰り返しで、少しずつかもしれませんが、タイポグラフに対するテクニックというものは、確実に上達していきます。
だから、ぜひ、実際にタイポグラフィに注意しながら、デザインをしてください。
ただ、実践は大事なんですが、いつか、壁にぶつかると思います。
いくら考えても、いくらやり直しをしても、自分が満足できるデザインが、できない。
しっくりとくるタイポグラフィを、選ぶことができない。
デザインを実践していると、必ず、そういった悩みにぶつかります。
逆に、そういった壁にぶつからないというのは、まだ自分の力を最大限に発揮していない、とも言えます。
自分の実力の限界まで行ったので、壁に突き当たるのです。
そう行った時に、はじめて、学ぶことの大切さを、実感するのです。
これが、タイポグラフィにおいて大切な第3の視点です。
つまり、学ぶこと、知識ですね。
確かに、最初に、最低限の知識は必要です。
タイポグラフィとは、何か、ということもわからずに、編集デザインをするのは、あまりにも無謀です。
しかし、ある程度、タイポグラフィについて理解したら、やはり、手を動かしてみるべきです。
そして、観察から得たヒントをもとに、実践をする。
行き詰まったら、学び、そして、再度、チャレンジする。
当たり前のことかもしれませんが、これを繰り返すことで、確実に、本物のタイポグラフィの実力がついてくるのです。
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