レイアウトは、演出であり、舞台裏の存在である

 レイアウト技術に関して言えば、さまざまな手法があります。

 また、最近では、このようにネットも発達して、レイアウトのテクニックについても、多くの情報が提供されています。

 そのため、少し積極的に学ぼうと思えば、かなりのレイアウト技術を学ぶことができます。

 正直、私も、レイアウトについては、勉強してきましたので、テクニック的な面では、いろいろお話ししたいこともあります。

 しかし、ネットにしろ、書籍にしろ、これだけ、レイアウトについて語られている現在で、どういうテクニックを、どのように説明すればいいのか、ちょっと、迷いました。

 逆に、テクニック的な面ばかりが注目されているので、それとは違った見方もあるのではないか、と思うようになりました。

 これは、私の意見なのですが、レイアウトは、紙面に登場する文章や写真を、見る人に、素晴らしく見せるためのテクニックです。

 つまり、主役はレイアウトではなく、あくまでも文章や写真なのです。

 文章や写真に目が行かずに、「このレイアウト、かっかいいね」と思われては、失敗とまでは言わないにしても、ちょっと、違うのではないか、と思うのです。

 これは、デザイン全般にも言えることです。

 あくまで、主役は、デザインされたものであって、デザイナー本人ではありません。

 だから、あまり、デザイナー自身が、前面に出てしまうのは、どうなんだろうと、思うわけです。

 これは、別の機会にお話ししようと思っている広告デザインにも、通じるものがあります。

 あくまでも、広告の主役は、商品やサービスであり、その「広告」自体ではないわけです。

 また、建築でも、同じことが言えるでしょう。

 例えば、いくら柱や屋根を立派に作っても、肝心なのは、それらで構成される「空間」なのです。

 見栄えのいい柱や屋根を作っても、快適な空間ができなければ、建築としては、良いとは言えないでしょう。

 ただ、私も、この文章を読んでいる人も、デザインを仕事としていて、プロという立場ですから、このような専門的な見方や、話になるわけです。

 つまり、たくさんのレイアウトのテクニックを学び、身につけても、それをそのまま、使ってしまっては、うまくデザインに溶け込まない、ということです。

 実際の現場で、一つ一つの仕事の中で、レイアウト技術を有効に活用していくことで、初めて、本物の、活きたレイアウトが生まれてくるわけです。

 だから、レイアウトを上達したい人は、ぜひ、学ぶことよりも、実践に力を入れて欲しいと思います。

 これは、デザイン全般に言えることです。

 デザインは、やはり、実学であり、活用してこそ活きてくるものです。

 ただ、こうは言っても、やはり、レイアウトの知識や技術を学ぶことは大切です。

 ある程度の基礎知識がないと、基本的なレイアウトもできません。

 しかし、ある程度、レイアウトについて学んだら、ぜひ、手を動かして欲しい、ということです。

 そうすることで、初めて、レイアウト技術が、本当の意味で身につくのです。

 これは当たり前のことかもしれませんが、あまりにも、抽象的なレイアウト理論ばかりを学んいる人が多いようなので、お話ししてみました。

 ぜひ、行動、そして、実践こそが、レイアウト技術やデザイン力の向上の正道であり、近道であることを、知っておいてください。