デザインを学ぶためのデッサンは、まず、基礎をしっかりと押さえておく必要があります。
逆に言うと、基礎を身につけることができれば、その後は、スムーズに上達できます。
この基礎の部分を、なかなかマスターできないので、デッサンをあきらめてしまう人が多いのです。
デッサンの基礎というのは、簡単に言ってしまうと、知識と技術です。
まず知識というのは、デッサンというものはどういうものか、どの点に注意していけばいいのか、といった、基本的な考え方のことです。
これは、純粋に知識ですから、知っているか知らないか、という問題です。
したがって、しっかりと勉強すれば、頭に入ってきますし、それをデッサンを描くことに活かすことができます。
一方、技術は、描写のテクニックのことです。
どのように形をとらえ、どのように陰影をつけていくか、という実際的な描写技術です。
これは、訓練というか、練習して身につけるしかありません。
これまで、本格的なデッサンをしたことがなければ、そのような描き方、手の動かし方、というのは、してこなかったと思います。
そのため、デッサンの描き方を、手を動かして身につける必要があるのです。
これは、野球におけるバットの素振りなどと同じです。
繰り返し練習して、身につける。これしかありません。
しかし、多くの人は、その練習が続かないため、デッサンが身につかず、あきらめてしまうのです。
この意見に、反論もあるでしょう。
確かに、デッサンは芸術的な行為、という側面もあります。
そのため、根性や努力のスポーツなどとは、別次元のものだと。
そういう意見も、もっともだと思います。
しかし、情熱をもって芸術活動のデッサンに取り組めば、繰り返し、チャレンジしていくはずです。
その過程で、やはり、技術習得の練習をしているのです。
つまり、動機の部分はどうあれ、結果として努力をすることになりますから、それが上達へとつながるのです。
芸術活動といっても、ひらめきや感受性だけで、成立するものでもありません。
やはりそこには、テクニック習得のための努力というものも存在しますし、必要でしょう。
そして、このような基礎的なテクニックを習得することで、初めて、さらに上の段階へとつながるのです。
基礎的なテクニックは、いま見てきたように、練習によって身につくものです。
つまり、やるかやらないか、という問題でああり、努力し続ければ、マスターできます。
(ただし、その中身や方向性がしっかりしていれば、ですが)
そこからさらに上達するには、さらに学び、より高度な技術を身につける必要があります。
しかし、さらなる上達のための勉強というのが、なかなか難しいのです。
難しすぎても挫折してしまうし、簡単すぎても上達できない。
その上達へのヒントをまとめたのが、『デザインのためのデッサン講座 (考え方・初級編』の「第5部 デッサンを実践するために大切なこと」です。
こちらでは、デッサン力を、さらに向上させるヒントについて解説しています。
もう一段、デッサン力を磨きたい、という方は、ぜひ、参考にしてください。
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