デッサンの基本中の基本から解説したのが、こちらです。
デッサンをマスターする際に、重要なことは、どこからスタートするか、ということです。
デッサンやデザインだけに関わらず、勉強や仕事でも、やはり、最初が一番、肝心です。
なんといっても、これから初めるということについては、緊張しますし、やはり、不安なものです。
しかし、同時に、新しいことにチャレンジするということで、ワクワク感もあると思います。
そういった気持ちが入り混じって、ぎこちない感じで、デッサンをスタートする人が、ほとんどではないでしょうか。
やはり、最初がスムーズに進むと、その後の学びも、トントンと、リズムよく、円滑に進んでいきます。
逆に、最初の時点でつまづいてしまうと、なかなか思ったように進まず、最悪、あきらめてしまい、デッサンを、やめてしまうかもしれません。
もちろん、人によって、違いはあるでしょう。
もともと絵がうまく、これまで日常的に絵を描いてきた人が、本格的にデッサンを学びはじめると、それほど障害がなく、スルスルと、成長していくかもしれません。
しかし、絵が苦手で、デッサンに関しても、なんだか難しそうと感じ、緊張している人は、ゆっくりと、段階的に進めていくべきです。
そういう人にとって、最適な参考書が、本書『やさしいデッサン入門』です。
この本では、とにかく、デッサンを始める人に、これでもか、というぐらい、丁寧にデッサンについて、説明しています。
やはり、最初の段階で、丁寧に、細かく、そして何より、わかりやすい説明を聞くことで、デッサンに対する理解が深まり、迷うことなく、手を動かすことができるようになります。
では、どのような点が、わかりやすいかというと、最初に、ものの見え方について説明しています。
デッサンは、目の前の三次元のものを、二次元である紙の上に、表現するものです。
そのため、ものを表現する描写テクニック、というものが必要になります。
しかし、その前に理解しておかなければならないのが、そもそも、目の前のものが、どのように見えるのか、ということです。
ここで、重要になってくる技法のひとつが、遠近法です。
静物デッサンをおこなうにしても、やはり、遠近法に対する理解と、それを使いこなせるようになる必要があります。
その訓練として、『やさしいデッサン入門』では、平面的な円や正方形が、机の上に置かれると、どのように見えるか、ということを説明しています。
紙に書かれた正円を、目の前にぶら下げて正面から見ると、それは満月のような、きちんとした円に見えます。
しかし、それを机の上に置き、目の高さから見てみると、ゆがんで見えます。
別の言い方をすると、遠近法がはたらき、パースがついて見えるのです。
さらに、目の高さを上下に変えてみると、さまざまに変化します。
それは、正方形でも、正三角形でも同様です。
(文字にすると、ちょっとわかりづらいかもしれませんが、『やさしいデッサン入門』では、ちゃんと図入りで説明されています)
初心者の方は、まずは、この見え方を理解し、それを描けるようになることが肝心です。
これが、例えば、コップを描く時にも使えますし、段ボール箱のような四角い立体物を描く時にも役立ちます。
形をとらえるうえでの、基本的な考え方であるため、必ずマスターするようにしてください。
私も、以前からお伝えしているように、いきなり、実際のものをデッサンしはじめるより、抽象的な基本立体から描けるようになった方がいいでしょう。
デッサンの基本法則や、物の見え方やとらえ方などの理解がしやすくなります。
それをしっかりとマスターして、実際のコップや箱などをデッサンするようにすれば、スムーズに描けるようになります。
一見すると、回り道のように感じるかもしれませんが、慌てる必要はありません。
じっくりと基礎を学び、しっかりと身につける。
それがやがては、本格的なデッサン力へと、つながっていくのです。
デッサンの最初の段階でつまづき、悩んでいる方は、ぜひ、参考にしてみて下さい。
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