私が、編集デザイン(エディトリアル・デザイン)を学ぶ際に、中心と位置付けているのが、バウハウスです。
バウハウスについては、かなり、語られたり、研究されたりしてきました。
しかし、正直、私は、どこかしらバウハウスとは、距離をとってきました。
デザインについて、感性よりも、技術に重点をおいているように、感じたせいかもしれません。
しかし、実際に社会に出て、デザインを仕事とすると、技術の大切さ、というもの痛感しました。
どうしても、感性やひらめきにたよったデザインの場合、波というか、ムラがあります。
ピンと思いつく時はいいのですが、そうでない時は、どんなに頭をひねっても、いいアイデアが浮かんできません。
しかし、技術として、デザインをあつかう場合、比較的、淡々とデザインの作業を進めることができるのです。
もちろん、単純な技術だけで、デザインが生み出せるほど、甘いものではありません。
しかし、感性だけに頼るのではなく、そこに技術があれば、デザインの制作が、円滑に進むのです。
やはり、デザインを仕事とする場合、制限時間と量が、大切になってきます。
実際の現場で、素晴らしいスピードで駆け抜けるためにも、デザインの技術習得は、やはり、必要なのです。
ただ、はたして、21世紀の現代でも、バウハウス的な手法、つまり、デザイン技術は、通用するのか、という疑問もあると思います。
私は、バウハウスの本質は、デザインに関する考え方、だと思っています。
つまり、ごくごく基本的な考え方であり、ある意味、抽象度の高いものだと思います。
そのため、時代を超えても、十分に、通用する知識であり、知恵なのです。
また、デザインの基本的な考え方だからこそ、デザインの基礎を学ぶ人には、もってこいの題材なのです。
デッサンや色彩構成を学び、いよいよ、これから、デザインを勉強し始める人には、ぜひ、知っておいてもらいたい内容なのです。
また、現在のグラフィック・デザインの主流となっているデジタル・デザイン、そして、Webデザインでも、バウハウスの考え方は、活かすことができるのではないか、と思っています。
時代の差があるからこそ、それを組み合わせることで、思っても見なかった視点や考え方を発見できるのでは、と、想像しています。
私も、復習と、新しい知識や技術を吸収するために、再び、バウハウスを研究してみたいと思っています。
古きを知り、新しきを知る。
古いと思っている中に、新しいものを見つけ出したいと思っています。
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