私は、デザインの分野を、大きく3つの分野にわけて、とらえています。
一つは、基礎デザイン。
二つ目は、編集デザイン。
そして、三つ目は、広告デザインです。
そして、この順番で、デザインを学んでいくと良いと思っています。
今回は、編集デザインについて、ご説明したいと思います。
でも、その前提として、基礎デザインについて、簡単にご説明します。
その方が、編集デザインについての理解も、スムーズにいくと思うからです。
基礎デザインとは、いわば、ベーシックなデザインです。
デザインを学び、実践するための基礎体力、みたいなものです。
ここには、鉛筆デッサンや色彩の平面構成などが入ります。
これらは、一見すると、デザインという活動には、直接的には、表に出てきません。
しかし、例えば、建物の基礎であったり、構造であったりするような、根幹の部分になります。
住宅でいうところの縁の下、みたいなものです。
編集デザインは、あくまでも、この基礎デザインの上に成り立ちます。
ですから、基礎デザインを習得してから、編集デザインに進むのが、ベストなんですね。
でも、編集デザインにあこがれて、では、基礎からデザインを勉強してみよう、という流れでも、もちろんOKです。
編集デザインというと、少し耳慣れない言葉かもしれません。
編集デザインが対象とするのは、雑誌の誌面のデザインや、書籍の造本などですね。
別名、エディトリアル・デザインとも言います。
主に、出版業にたずさわるデザインといってもいいでしょう。
そのため、本好きの方や、雑誌をよく読まれる方には、なじみ深いかもしれません。
編集デザインにおいて、大事なポイントは、やはり、レイアウトと文字です。
ただ、これは何も、編集デザインに限った話ではありません。
もちろん、基礎デザインにおいても、広告デザインにおいても、レイアウトや文字の重要性は変わりません。
ただ、編集デザインにおいては、それが顕著に出てくる、ということです。
これを逆に考えると、レイアウトや文字について学び、その技術を上達したいなら、編集デザインを学ぶことが、一番、有効な手段だ、ということです。
もっとも、レイアウトや文字の重要性は、グラフィック・デザイン、いや、デザイン全般においても共通です。
ですから、レイアウトや文字については、別の機会に、じっくりとお話ししたいと思います。
とりあえず、今回は、編集デザインにおいては、レイアウトや文字が大切だ、ということだけでも、理解しておいていただけるといいと思います。
まさに、レイアウトや文字は、デザインの醍醐味です。
なんといっても、同じ素材を使っても、レイアウトの良し悪しによって、全然違ったものになります。
いかに優れた記事や、素晴らしい写真であっても、レイアウト一つで、活きたり死んだりしますから。
また、文字も重要です。
ここでいう文字とは、活字や書体、またはファントと呼ばれるものであり、タイポグラフィやレタリングと言われるものです。
一口に文字といっても、さまざまな種類があります。
この点についても、後ほど、ゆっくりとご説明しようと思います。
とにかく、編集デザインは、レイアウトや文字を中心にあつかうため、奥深い分野であることは確かです。
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