デザイン・テクニックの先にあるもの

 編集デザインを学ぶために、バウハウスを基点にするには、理由があります。

 それは、小手先のテクニックではなく、デザインの考え方、そして、理論という、一つの流れを理解し、身につけたいからです。

 と言っても、デザインのテクニックな面を否定するわけではありません。

 確かに、実践的で、すぐにデザイン・ワークに使うことができるテクニックは、重要です。

 これは、やはり、実際に仕事としてデザインをおこなってみると、よくわかります。

 仕事の量と質を両立させ、そして、スケジュールも、厳守しなければなりません。

 また、変更や修正作業も、どんどんと、やってきます。

 いわば、即断即決、そして、スピーディーな作業が要求されるデザインの現場では、それらを解決する有効なテクニックが、必要不可欠です。

 しかし、テクニックだけだと、いずれ行き詰まります。

 結局は、その場その場の対応であり、大きな視点というのを見失ってしまいます。

 気が付くと、単に、問題解決のために手を動かし、デザインというよりも、「作業」となってしまうのです。

 それが、仕事として回っているうちは、まだいいのですが、そのうち、デザイナー本人の心が疲れてしまうでしょう。

 そうならないためにも、目先のテクニックを、ただ単に覚え、消費するのではなく、デザインの大きな流れ、一つの理論を学ぶ必要があります。

 大きな視点を持つことで、全体の流れが見え、単なる作業と思えていた、目の前のデザイン作業も、「意味」を持ってくるのです。

 また、デザインの大きな流れを知っていると、全体的なデザインの計画も立てやすくなります。

 これは、いわば、戦術から戦略への視点の転換といってもいいでしょう。

 確かに、テクニックの方が、具体的で、わかりやすいのは、確かです。

 そして、どんどんと、すぐに仕事に使うことができるので、最初は、上達を実感でき、うれしいでしょう。

 しかし、最初に、全体的な理論というものを学ぶことで、それが「土台」となります。

 大きな土台であれば、その上に、たくさんのテクニックを積み上げることができるのです。

 できれば、実践的で具体的なテクニックと結び付けながら、デザインの理論を学ぶのが理想です。

 その、一つのきっかけで、足がかりとなるのが、バウハウスという存在だと考えています。