デザインは、基本的に、自由であり、平等です。
つまり、ある意味、「なんでもあり」の世界なんですね。
新しい試みは大歓迎だし、常に、前進していかなければならない。
だからこそ、デザイナーは、知恵を絞り、今までにない表現やチャレンジを繰り返していくわけです。
しかし、これは逆に、難しい事でもあり、苦しい事でもあります。
自由で、好きにしていいと言われても、では、何から取りかかればいいか、わからなくなる人もいます。
どのような順番で学んでいけばいいのか、または、どれが重要なのか、といったことが、わかりづらいのです。
自由で、「なんでもあり」といっても、では、思いついたまま、手当りしだいに取り組めばいいか、というと、そういうわけにもいきません。
確かに、好みや、ひらめきで取り組んでも、うまくいくデザイナーもいます。
しかし、それは天才的なひらめきか、偶然、つまり、運よく、うまくいったということです。
そういったものに、多くのデザイナーが頼るわけにもいきませんし、仮に頼っても、いつも必ず、いい結果になるとはいえないでしょう。
では、どうすればいいかというと、自分自身で軸となる考え方や、ノウハウを見つけ、決めることです。
ノウハウとは、別の言い方で言えば、デザインに対するアプローチ方法といってもいいでしょう。
自分は、このようにデザインを考え、このような方法を使って、デザインをやってみる、と決めることです。
そうして、自分なりの立ち位置を決めれば、そこからデザイン全体を見渡せることができます。
そうすると進むべき道や、とりあえずのゴールといったものも、わかってきます。
なにより、自分の進むべき道や、やるべきことが明確になり、具体的になるので、一歩一歩を、踏み出しやすくなるのです。
やはり、悩んでいるよりも、一歩でも、前へ進むことができれば、自分の理想のデザインへと、近づくことができます。
では、具体的に、どのようにして、自分の立ち位置をみつけるのか、ということですが、これは、参考となる本を読むことをお薦めします。
自分の理想だったり、面白そうと思える技法を解説した本を、見つけるのです。
そうすることで、自分の中に、一本の軸が決まりますから、後はそれを中心にして、デザインを学んでいけばいいのです。
やはり、何らかの軸がある方が、ぶれずに、前へ進むことができます。
ちなみに、私の場合、デッサンですと、山本正英著『デザイナーのための鉛筆デッサン』(アトリエ出版社)です。
また、編集デザインですと、雑誌『デザインの現場』vol.14no.89特集「文字とレイアウト」。
そして、広告デザインですと、西尾忠久著『フォルクスワーゲンの広告キャンペーン』(美術出版社)でしょうか。
やはり、若い頃に、大きな影響を受けた本は、その後も忘れられませんね。
しかし、これからも、積極的に新しい本にもチャレンジて、どんどん、吸収していきたいです。
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