タイポグラフィの技術を向上させる方法

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グラフィック・デザインにおいて、文字をあつかうタイポグラフィは、非常に重要な分野です。

今回は、その大切なタイポグラフィの技術を、いかに身につけ、向上させるか、ということについて、ご説明したいと思います。

 
タイポグラフィにおいて、大事なことは、やはり、書体の種類と、組版の感覚を学ぶことです。

 
書体の種類とは、日本語の文章において、使うことができる書体やファントに、どのようなものがあるか、ということを知っておくことです。

これは、英語などの欧文書体とは、また違った難しさを、日本語のフォントは持っているからです。

 
日本語のフォントは、その言語の性質上、欧文に比べて、種類が少ないのです。

したがって、その少ないフォントの中から、その時々のデザインにあった最適なフォントを選ぶ必要があります。

そのため、どのようなファントがあり、それがどのような特長を持っていて、実際に使うと、どのような印象をあたえるのか、などを知っておくことが重要です。

そうすることで、日々のデザイン・ワークの中で、スムーズに、適切な書体を使っていくことができます。

 
同時に、それを文章として組んだ時にも、読みやすさや、読む人が受ける印象なども知っておく必要があります。

例えば、キャッチコピーや見出しなどの短文の場合は、読みやすさよりも、人の目を引きつけやすいかどうか、といったことが優先されます。

逆に、本文などの長文の場合は、やはり、長い時間読んでいて疲れないかなどの、読みやすさが重要になってきます。

読みにくかったり、読んでいて、非常に疲れたりするようであれば、せっかくの良い文章であっても、読み続けてもらえません。

 
では、このようなタイポグラフィの重要な技術を、いかに学び、身につければいいのでしょうか。

私は、とにかく、しっかりとデザインされた本や雑誌の印刷物を、観察することが大事だと思います。

 
最近では、デジタル技術の発達で、紙に印刷されたデザインよりも、Webなどのデジタル媒体に触れる機会の方が多いと思います。

確かに、今の時代ならではの、最先端のデザインは、Web上にあるのかもしれません。

 
しかし、タイポグラフィの基本的な技術や最低限の感覚を磨くのであれば、やはり、印刷されたデザインを見る方がいいと思います。

それも、現代のものだけでなく、過去の雑誌や書籍も、見るべきでしょう。

 
なぜなら、昔のデザインは、現代とは比べ物にならないほど、制作するのに、手間と時間がかかっているからです。

それは確かに、印刷物を作るための技術の違い、というものもあります。

しかし、一つの印刷物、一つのデザインを作り出すのが大変だったからこそ、非常によく考えられて作られています。

 
また、Webデザインであれば、修正や変更が容易です。

しかし、印刷物は、一度、作ると、もう修正はできません。

その場合は、修正ではなく、作り直しになります。

そのため、一つのデザインを完成させるための気の使いようや緊張感といったものは、昔のデザインの方が、はるかに厳しかったのです。

 
なにより、これまで作られてきたデザインや印刷物には、デザイナーたちの知恵や技術がつまっています。

正直、それを学ばないのは、もったいないと思います。

 
だからこそ、私は、デザイン関係の古書を集め、みなさんのお役に立ちたいと思い、ご紹介しているのです。

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