今でも、私は、デザイン関係の古書をあつかっているネットショップを、運営しています。
その古書店を通じて、どのような本が求められているのか、どのようなことが関心を集めているのか、といったことを、知ることができます。
そのような、みなさんの興味関心にこたえるために作成したのが、例えば、デッサンの講座レポートです。
やはり、自分でデザイン関係の古書を集め、よく読んで、いろいろ研究すると、新たにわかることや、気が付くことがあります。
それらをまとめてレポートにして、みなさんに、ご提供しているわけです。
デッサンの講座レポートも、無事、完成して、みなさんにご好評いただいています。
そこで、次は、どのようなレポートを作ろうか、と、いろいろ考え中です。
例えば、以前は、基礎デザインのデッサンについて書いたので、次は、編集デザインの分野について、まとめてみたいと思っています。
編集デザインにおいて、私が大きな影響を受けたのが、雑誌『デザインの現場(vol.14no.89)』の特集「文字とレイアウト」です。
ここでは、編集デザインになくてはならないレイアウトと文字について、わかりやすく解説しています。
これらを読むことで、編集デザインに対して、とても興味を持ちました。
中でも、56ページから掲載されている「グリッドシステム スイス・ドイツで発達したタイポグラフィとレイアウト」が、強く印象に残っています。
編集デザインといえば、必ず出てくるのが、バウハウスからつながるモダン・タイポグラフィです。
その流れをくむのが、スイスを中心として発達したグリッドシステムなんですね。
グリッドシステムは、現在でも、編集デザインのレイアウトにおいて、重要な位置をしめます。
そのため、これを学び、マスターすることは、編集デザインにおいては、必要不可欠と言えるでしょう。
ただ、デザイナーによっては、決められたルールを尊重するグリッドシステムは、性に合わない、あまり好きではない、と感じるかもしれません。
しかし、その考え方を知っておくだけでも、非常に有益だと思います。
つまり、それだけ、重要な手法なのです。
このグリッドシステムや、それを普及した教育機関であるウルム造形大学について、先の記事では触れられています。
ただ、雑誌の特集の中の、一つの記事のため、あまり詳しくは書かれていませんでした。
しかし、システマティックにレイアウトをしていく、という考え方が、非常に魅力的でした。
もちろん、感性や、いきおいを大事にする、アメリカ型の広告デザインのレイアウト手法というものも好きです。
しかし、しっかりとした理論的な裏付けがあるレイアウト手法というものにも、興味を持ったのです。
そのため、少し調べてみたのですが、なかなか関係する資料は、少ないようです。
しかし、その重要性はよくわかりますし、自分自身、面白そうだと感じていました。
そのため、調べられるだけ調べて、いろいろな視点から、まとめてみようか、と考えています。
ただ、心配なのは、それに対して、どれくらい需要があるか、ということです。
私は、デザイン分野においては、非常に重要で、また、デザインワークにも、とても参考になる知識であり、ノウハウだと思っています。
しかし、昔の手法、昔の考え方、という印象は、多くの人が持つでしょう。
どうしても、デザインに関心がある人は、新しいものに、目がいきがちです。
そういう人達に対して、どれくらいアピールできるか、ということを心配しています。
せっかくがんばってまとめても、誰も、興味関心をしめしてくれないとなると、ちょっと寂しいですから。
やはり、その重要性と、おもしろく見せる切り口というか、表現手法が問題かな、と考えています。
興味を持たれている方や、おもしろそうだ、と思ってくれる方が、ある程度いましたら、まとめてみようと考えています。
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