編集デザイン(エディトリアル・デザイン)において、タイポグラフィと同様に重要なのが、レイアウトです。
私は、グラフィック・デザインの核心の一つは、レイアウトだと思っています。
極端な話、レイアウトの技術によって、グラフィック・デザインの質が決まる、と言ってもいいくらいです。
逆に言えば、上手にレイアウトをしないと、グラフィック・デザインとして、良いものは、できないでしょう。
レイアウトというのは、非常に、おもしろいテクニックです。
誌面を構成する要素を、上手にレイアウトすれば、その魅力を、何倍にも引き出すことができます。
しかし、まずいレイアウトをしてしまうと、それぞれの構成要素が、いかに魅力的でも、それを、うまく活かすことができません。
つまり、グラフィック・デザインの良し悪しは、レイアウトにかかっている、と言ってもいいでしょう。
そのため、レイアウトの技術は、必ず習得し、そして、常に高めていく努力が必要です。
しかし、それはわかっていても、なかなか上達しないのが、レイアウト技術です。
もちろん、レイアウトの基本法則や理論といったものも存在します。
それらを、じっくりと学ぶ必要はあります。
しかし、日々のデザイン作業や仕事で、常に新しいレイアウトが、必要になる場面もあるでしょう。
そういう時に、次から次に、新鮮で、魅力的なレイアウトを生み出すことができればいいのですが、最初は、なかなか、そうはいきません。
そこが、レイアウトの難しいところです。
気が付けば、いつもと同じような、マンネリのレイアウトになってはいないでしょうか?
そんな時、私は、よくレイアウトのテンプレートを使っていました。
レイアウトの場合、誌面のサイズというものは、ある程度、決まっています。
そのため、一つの誌面に入れることができる要素の数、というのも、決まってきます。
そうすると、ある程度、レイアウトもパターン化されるため、テンプレートというものが成立するのです。
確かに、テンプレートの使用に対しては、賛否両論あります。
しかし、私は、利用できるものであれば、どんどんと、使っていくべきだと思います。
そうすることで、デザイン作業が進み、成果物が完成するのであれば、良いことだと思います。
もちろん、テンプレート使うための、最低限のルールというものは、あります。
しかし、レイアウトのテンプレートを使うことで、そこから規則性や、効果、そして、経験を積み重ねていくことができれば、自分自身のデザイン力の向上にも、つながります。
大事なことは、テンプレートに縛られることなく、自分で、自由に、テンプレートを使いこなしていく、ということだと思います。
コメント