私が、編集デザイン(エディトリアル・デザイン)を学ぶうえで、一番、参考になったのが、雑誌『デザインの現場』(vol.14no.89)の特集「文字とレイアウト」です。
この特集では、編集デザインを、文字とレイアウトの2つの要素から、解説しています。
そして、私が注目したのが、編集デザインをされるデザイナーの方々です。
編集デザインについて解説されているのですが、考え方やテクニックの前に、人物、つまり、デザイナーに焦点があてられています。
つまり、文字にしろ、レイアウトにしろ、デザインに対する考え方にしろ、それを実現するためのテクニックにしろ、ようは、誰が、それをおこなっているのか、ということが大切なのです。
それらの要素は、人物、つまりデザイナーを通して語られます。
つまり、デザイン=デザイナーであり、どんなに素晴らしいデザインでも、それを生み出すのは、結局は、デザイナーなのです。
私は、このことが、とても、素敵に思えました。
つまり、デザイナーは、自分の好きなように、自分の思い描いた通りのデザインをできるのだ、と思いました。
もちろん、その分、責任は、かかってきます。
しかし、この複雑で巨大化した社会の中で、個人の力で、仕事ができるデザイナーは、素晴らしい、と思ったのです。
ただ、後年、そうそう、うまくはいかないことは、よくわかりました。
デザイナーが、直接、デザインをするのですが、様々な事情や要素が加わり、デザイナーの思った通りのデザインが実現することの方が、珍しいのかもしれません。
それでも、デザイナーが、自分の名前で、大きな責任を持って、デザインをする、ということに、非常に、魅力を感じたのです。
先にあげた雑誌『デザインの現場』(vol.14no.89)の特集「文字とレイアウト」でも、多くのデザイナーの方々が、登場されます。
江島任さん、多川精一さん、木村裕治さん、横井徹さん、など、魅力的な編集デザインをされた方々ばかりです。
つまり、編集デザイン=デザイナーというわけです。
その方々から、デザインに対する考え方やテクニックを学ぶことが、デザイナーとして上達する良い方法だと思うのです。
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