本や雑誌を対象とする編集デザインにおいて、タイポグラフィは、とても重要です。
そのため、書体やフォントなど、文字の形や種類について学ぶ必要があります。
しかし、それと同じくらい重要のことが、文字を組む、ということです。
文字を組むというのは、文字を文章として組み立てることです。
書体やフォントなどの文字の形だけに重点をおくのではなく、それらの文字が、いくつも重なった状態、つまり、文章として表現された場合にも、気をつける必要があります。
なぜなら、一つ一つの文字の形は、考え抜かれて、素晴らしくても、それらを並べて、文章とした時に、気をつけていないと、そのタイポグラフィの魅力を、十分に発揮できないからです。
編集デザインにおいて、タイポグラフィをあつかう場合、文章の見え方にも、気をつけないといけないのです。
このような文字を組むことの重要性が、特にはっきりとわかるのは、キャッチコピーやヘッドコピーでしょう。
また、文章や記事の前に掲載されているタイトルなども同様です。
こういった見る人を引き付ける文章については、その見え方にも、注意する必要があります。
もちろん、読者は、文章の中身に、一番、反応しますが、同時に、見た目も重要なのです。
いかに内容が優れ、きれいなフォントを使っても、その文字が、きちんと組まれていないと、スルーされてしまう確率は高まるでしょう。
そうならないように、文字をきれいに組み、文章として、魅力的に見えるようにする努力が必要です。
例えば、そのための具体的な方法として、一番気をつけるべき点は、「字間」でしょう。
字間とは、文字と文字との間、一文字一文字の距離のことです。
現在のパソコンを使っての作業の場合、自動で字間が設定されます。
そのため、注意していないと気が付くことがないかもしれません。
確かに、大量の文章の場合は、そのような自動の機能を使うことも必要でしょう。
(しかし、やはり、それでも文字を組むという意識は必要で、自動に慣れてしまい過ぎると、感覚がおかしくなってしまうこともあります)
しかし、先の上げたキャッチコピーやヘッドコピー、そして、タイトル等には、常に目を光らせておくべきでしょう。
妙に字間が開いて、一文字一文字の距離があると、間延びしたような印象をあたえます。
しかし、逆に、あまりに近すぎると、息苦しい感じになります。
こういったことは、本当にタイポグラフィの基礎の基礎ですが、こういった点に注意を払い、取り組んでいくといいと思います。
そうするうちに、少しずつ、タイポグラフィの技術を学び、向上していくことでしょう。
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