デッサン初心者の人が、デッサン技術をマスターする手段として、オススメなのが、模写です。
参考とするデッサン見本を見ながら、自分の手で再現してみる、というやり方です。
これを実践することで、どのようにすれば、目標とするデッサンを描くことができるか、体験できます。
やはり、デッサンは、実技ですから、見たり、テクニックを聞いたりしただけでは、なかなか、身につけることができません。
大事なことは、自分で、いかに再現できるか、実践できるか、ということです。
これが、いわゆるペーパーテストとは違う、デッサンの難しさであり、おもしろさです。
なにより、模写をすることで、ある程度の充実感というか、達成感を味わうことができます。
それが自信となり、さらなるデッサン学習へと進んでいくことができます。
では、具体的な模写の進め方について、説明していきましょう。
今回は、デッサン初心者の方を、主な対象として、話を進めていきます。
まず、デッサンの模写を始める前に、ある程度の基礎知識は、学んでおきましょう。
どのように形をとらえるのか、また、影のつけ方、立体感の出し方などです。
デッサンの技法書には、詳しく解説されていると思いますので、その部分をしっかりと読んでおきましょう。
次に、初めてデッサン模写をするのであれば、やはり、簡単なものから始めるべきです。
円柱や球体など、基本形体から始めるのもいいでしょう。
これだと、形もとらえやすいですし、どのように影をつければいいのか、また、どのようにして立体感を出せばいいのか、ということが、すぐにわかると思います。
それを、自分の手で、再現していけばいいわけです。
最初は、なかなか見本どおりには、いかないかもしれません。
しかし、何度か失敗して、描き直していくうちに、上手になっていきます。
そのようにして、ひととおり、基本形体が描けるようになれば、次の段階に進んでいきます。
次は、実際に、身の周りにあるものを描いたデッサンを、模写していきましょう。
これも、いきなり難しいものからではなく、比較的、簡単なものから、手をつけるのがいいでしょう。
例えば、コーヒーカップや皿などですね。
形自体が、基本形体に近いため、模写しやすいと思います。
そのようにして、一枚一枚、完成させていきます。
それがある程度、うまく模写できるようになったら、複数のモチーフが描かれているデッサンに挑戦していきましょう。
ここで、レイアウトや、アングルなどを学ぶことができます。
こうなると、かなり本格的ですから、あなた自身のデッサン技術も、かなり上達しているはずです。
また、ちょっと複雑なデッサンにも、チャレンジしてみてもいいでしょう。
例えば、椅子などの家具や、電化製品などですね。
これは、製品デザインをやりたいと思っている人には、おすすめです。
そして、いよいよデッサンの実力がついてきたな、と感じたら、本格的なデッサン見本にチャレンジしてみましょう。
例えば、美大受験であれば、合格した人のデッサン見本などを、模写してみるとよいでしょう。
そうすると、どれくらいのデッサン技術が必要か、自分自身の実力がどれくらいか、がわかると思います。
この時のポイントは、最初は、時間を気にせず、とにかく、見本のデッサンを再現することに集中することです。
そして、ある程度、デッサンのコツがわかってきたら、時間を計りながら、模写してみましょう。
受験用のデッサンの場合は、必ずと言っていいほど、制限時間が設定されています。
つまり、この時間内に、ある程度のデッサンを完成させないといけないわけです。
そのため、合格したデッサン見本には、必ず、短時間で効率よく描くテクニック、というものが隠されています。
それを、模写することで、見つけ出し、マスターするのです。
このように、模写は、デッサン初心者にとって、たいへん役立つ学習方法です。
ぜひ、試してみて下さい。
このようなデッサン学習のヒントを、まとめてみました。
⇒『デザインのためのデッサン講座(考え方・初級編)』
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