デッサンについて、いろいろ解説したり、テクニックを紹介したりしていると、さまざまな悩みが存在していることを知りました。
デッサンが苦手だ、とか、うまく描くことができない、という人は、けっこう、多いんです。
かつて、私もそうだったので、その気持ち、よくわかります。
ただ、苦手意識を持っている人は、心のどこかで、まだ、どうしたらうまくなるだろう、という解決への出口を探している感じです。
そのため、ちょっとしたきっかけやヒントがあれば、デッサンに対して前向きになり、どんどんと、うまくなっていくんですね。
しかし、その苦手意識がさらに悪化して、デッサンが嫌いになっている人も存在します。
こうなると、かなり大変で、何しろ、嫌いなんですから、デッサンをしようとも思わないし、そもそも、デッサンについて考えたり、見たりすることも嫌になるんです。
それが、結局、デザインを学ぶことを諦めたり、デザイナーになる夢も、捨ててしまったりするんです。
ただ、私は、それは、とても、もったいないなぁと感じています。
やはり、デザインは面白いですし、デザイナーという仕事も、楽しいです(たいへんではありますけど)。
何しろ、物を作り出し、みんなの生活を豊かにして、楽しくする仕事です。
つまらないわけないじゃないですか。楽しいし、やりがいがありますよ。
ですから、私は、デザインに興味がある人には、もっとデザインを好きになって欲しいですし、デザイナーになって、世の中を、より豊かで、楽しいものにして欲しんです。
ぜひ、私も、楽しませてください。
しかし、そのためには、やはり、デッサンという壁を、乗り越える必要があります。
つまり、デッサンが嫌い、という状況を、なんとかしないといけないわけです。
デッサンが嫌い、というのは、感情の問題です。
ピーマンが嫌い、運動が嫌い、雨の日が嫌い、という感情と、同じですね。
さきほどいった、苦手、というのとは、ちょっとちがいます。
嫌いというのは、感情ですから、理屈ではないんですね。
とにかく、嫌い、という感情が先にある。
まあ、人間ですから、嫌いなものの一つや二つは、あっても当然かもしれません。
私も、普通の、というか、ただ嫌いなものがある、ということでしたら、それは、非常に個人的なことなので、深入りはしません。
しかし、なんとかそれを克服したい、と思っていたり、その先に進んで、デザイナーになる夢をかなえたい、ということであれば、見過ごせません。
そういう感情が少しでもあるからこそ、嫌いなデッサンの話題であっても、ここまで読んでくれたんでしょう?
では、どうすればいいか。
デッサンが嫌い、ということであれば、解決へ向けて、二つのアプローチ方法があります。
まず、先ほども言いましたように、デッサンが嫌いというのは、感情の問題です。
ですから、その気持ちをどのように変えていくか、という、マインドや心理的な問題になっていきます。
したがって、心理学的なアプローチ方法や、脳科学的に考えて、心の問題を解決していく、という方法があります。
もう一つの方法としては、実践的なアプローチです。
苦手な原因は何か、なぜ、苦手になったのか、ということを考え、実際の行動によって、少しずつ、嫌いという感情を、ほぐしていくやり方です。
私としては、心理的なアプローチよりも、行動をともなった実践的な解決方法の方が、より確実ではないか、と思っています。
もちろん、両方からのアプローチも大切です。
しかし、まずは、確実性の高い、実践的な行動から始めてみてはいかがでしょうか。
では、なぜ、嫌いになったのかというと、やはり、そこには、苦手意識、というものがあったと思います。
おそらく、ほとんどの人は、得意なものを嫌いになったりはしないでしょう。
つまり、苦手→嫌い、となったのであれば、得意になれば、その苦手意識が吹き飛び、ひいては、嫌い、という感情も、なくなるのではないでしょうか。
では、どうやったら、苦手で嫌いなデッサンを、得意になるのか?
それは、やはり、一つ一つ、小さくても必要なことを理解し、できるようにしていく、ということです。
これは、何も、デッサンに限ったことではありません。
他の勉強でも、スポーツでも同じですね。
つまり、「どうやったらいいのか、わからない」ということと、「わかっていても、自分で実行できない」、という二つの問題が、デッサンにはあるわけです。
勉強であれば、理解できれば、それをペーパーテストで解答すればいいですから、簡単ですね。
だから、どちらかというと、デッサンは、スポーツに近いかもしれません。
わかっていても、なかなか、体がついていかず、実際の行動が再現できない。
つまり、手の動かし方や、描き方のポイントはわかっているけど、実際に、自分で描いてみても、なかなか、再現できない、表現できない。
だからこそ、苦手に感じ、嫌いになった、ということではないでしょうか。
ただ、私は、デザインを学ぶために必要なデッサンは、ある程度、集中して、しっかり学べば、身につけることが可能だと思っています。
芸術性の高いデッサンともなると、また話は別ですが、デザインを学ぶための基礎的な教養としてのデッサンであれば、それほど高度なものでなくても、かまいません。
つまり、デッサンだけを極めるよりも、平面構成やタイポグラフィなど、デザインにとって必要なことを、ひととおり学んだ方がいい、ということです。
つまり、こういうことです。
●どうすればデッサンを描くことができるか、その方法論を知る
●どうすれば、その方法を自分で再現できるか、そのコツを知り、実践する
このように、きちんきちんと段階を理解して、それを、一歩一歩、確実に、実行して実現していく。
そうすることで、デッサンが上達し、だんだんと、得意になっていきます。
それが少しでも実感できれば、苦手意識は消え、嫌いという感情も、消えていくのではないでしょうか。
その手助けになれば、と思い、こちらをまとめてみました。
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