どんなことでもそうですが、やはり、最初に苦手意識を持ってしまうと、うまくいくことも、なかなかスムーズに進まなくなってしまいます。
その状態では、いくらテクニックやノウハウを学んでも、心が凝り固まっているため、それらを、受け入れることができないのです。
デッサンについて、いろいろ解説していると、多くの人が、さまざまな悩みをかかえていることがわかりました。
その中でも、比較的多いのが、「自分でも、デッサンが、うまくなるだろうか?」という疑問です。
これは、疑問というより、不安、と言った方がいいかもしれません。
デッサンが上手くなりたい、絵を上手に描けるようになりたい、という希望は、人一倍、あるのです。
しかし、実際のお手本となるデッサンを見ると、描くのが難しそうだし、そもそも、どのように描いたらいいのか、わからない。
そうやって考えているうちに、自分に描くことができるだろうか、いや、描けないかもしれない、という不安に陥るのです。
しかし、不安は、一歩でも進まないと、解消されることはありません。
どんなに小さな一歩でもいいから、とにかく勇気をもって、踏み出してみる。
これによって、不安は取り払われ、先が見えてくるのです。
例えば、私は、中学生時代、数学が苦手でした。
小学校の算数に比べると、中学校の数学は、とたんに難しくなりますよね。
その時、頭のいい人は、とにかく授業をじっくりと聞く、ということを知りました。
そこで、私は、ずっと授業を聞き続けたんですね。
ノートに書くのは最小限にして、ずっと前を見て、先生や黒板を見続け、耳を傾け続けました。
それが、あまりにも授業中、ずっと続くので、時々、本当に理解しているのか、先生に尋ねられるぐらいでした。
しかし、それを続けるうちに、難しく感じていた数式も、だんだんと理解できるようになりました。
どのような時に、どの数式を使い、どのように計算すればいいのか。
それが、ぼんやりと、わかってきたのです。
おかげで、なんとか人並みの及第点はとることができました。
デッサンも、同じようなことだと思います。
難しそう、苦手だ、という意識を持っていても、とにかく、できることから始めてみる。
デザインを学び、デザイナーになりたいと思ったら、やはり、デッサンは、避けては通れません。
何も、ずば抜けてデッサンが上手になる必要はないんです。
最低限、デザイナーとしてやっていくためのデッサン力を、身につければいいのです。
しかも、デッサンは、やっていくうちに、うまくなっていきます。
一番難しいのは、最初の頃、いや、最初の一歩と言えるでしょう。
とにかく鉛筆を持って、画用紙に向かってみる。
そして、基本形体の描き方を学んだり、グラデーションを学んでみたりしてみる。
それから、順番に、簡単な静物画を描いていけばいいのです。
とにかく、勇気を持って、できることから、始めてみる。
これは、どんなチャレンジにもあてはまりますし、デッサンでも例外ではありません。
その先に、あなたの夢や希望が待っているのです。
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