グラフィック・デザインの基礎を学ぶために、デッサンと色彩構成は、非常に有効です。
実は、これらは、非常に密接に関係しています。
そのため、どちらか一つだけ上達すればいい、というわけではありません。
デッサンと色彩構成、この二つの技術を、上手にバランスよく、学んでいく必要があります。
では、なぜ、デッサンと色彩構成の二つを、学ぶ必要があるのか。
その点について、お話しようと思います。
確かに、「理由」を知らなくても、それらの技術を学び、マスターすることは、できます。
また、デッサンや色彩構成の学習を通して、おのずと、その理由を理解する人も多いでしょう。
しかし、私の場合、デッサンも、色彩構成も、最初は、まるでダメでした。
したがって、それらをやりながら、「なぜ、こんなことを、やらないといけなんだろう」という疑問が、常にあったのです。
もちろん、先生やデザインの参考書を通じて、その理由は知ってはいました。
でも、知ってはいても、納得はしていなかったんでしょうね。
だから、理解が浅く、上達するまでに、時間がかかったのだと思います。
もちろん、現在、デッサンや色彩構成を勉強している方は、その「勉強する理由」を、知っているかもしれません。
しかし、昔の私のように、ちゃんと納得していない人も、いるのではないでしょうか。
そういう人に向けて、私なりの「勉強する理由」というのを、ご説明したいと思いました。
もちろん、これだけが正解、というわけでもありません。
しかし、多くの考え方を知った方が、自分自身で、ピッタリと納得する理由というものが、見つかるかもしれません。
では、デッサンや色彩構成を学ぶ理由、そして、その二つの関係性について、説明していきます。
デザインを学ぶ際の初歩的なデッサンは、あくまでも、形をとらえ、陰影を学ぶ勉強です。
そのため、それらを表現する最小限の道具、例えば、黒を表現する鉛筆のみでおこないます。
逆に、この方が、形や陰影のみに表現を絞っているため、技術を表現しやすいのです。
ただ、デッサンだけだと、グラフィック・デザインにとって、必要な要素、「色」を学ぶことができません。
そのため、色彩構成を通じて、色の使い方を学び、その平面構成まで習得するのです。
もちろん、これらを同時に、つまり、一つの画用紙の上で、デッサンをし、そこに、色彩を使っていく、という学習方法もあります。
しかし、私は、形や陰影を学ぶデッサンと、色を学ぶ色彩構成を、それぞれ別に学んだ方が、やりやすいと思います。
なぜなら、それぞれを別々に学ぶ方が、目的と表現技術が明確になり、理解しやすいからです。
この二つを統合し、結び付けていくのは、それぞれの基礎をマスターした後の、応用段階でも、いいと思います。
デザインの基礎となる技術は、確かに難しい部分もあります。
しかし、学ぶべき目的と、その手段が明確になっていれば、一つずつ、順番に習得していけばいいのです。
どんなに立派なグラフィック・デザイナーでも、みなさん、同じ道を通ってきたのですから。
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