デッサンの応用技術を学ぶことができるのが、『デザイナーのための精密デッサン』です。
⇒⇒デッサンを本格的に学ぶ◆『デザイナーのための精密デッサン』
本書は、全体で、3つの章から構成されています。
・第1章 観察から認識へ、そして描写へ
・第2章 人物を描く
・第3章 「見えにくいもの」「見えないもの」を描く
第1章は、デッサンの基礎をふまえて、応用への導きをしています。
デッサンは、いきなりは、うまくなりません。
やはり、基礎をしっかりと身につけ、そこから表現力や描写力を、伸ばしていくことになります。
基礎の部分は、がむしゃらに努力をすれば、ある程度、誰でも身につけることができます。
しかし、基礎だけでは、デッサンをマスターしたことにはなりません。
ただ単に、描いただけのデッサンでは、見る人に訴えかける力が弱いのです。
それはデッサンというよりも、ただ、機械的に、目の前の物を写し取っただけ、という感じになります。
もちろん、そこまで到達するには、ある程度の努力が必要ですし、普通の人では、かなり苦労します。
しかし、デッサンの難しさ、そして、おもしろさは、その先の、応用部分にあると言えるでしょう。
デッサンも、応用の段階まで行けば、本当の表現力が身につき、見る人の心に訴えかけるデッサンを描くことができるようになります。
それを、第1章の「観察から認識へ、そして描写へ」で解説しているのです。
そして、第2章では、人物のデッサンについて、説明しています。
ただ、人物デッサンは、デッサンの中でも、かなり、上級者向けになります。
デッサンを学びはじめて間もない人は、第1章、そして、第3章を中心に、まずは学んでいった方がいいでしょう。
最初は、どちらかというと、静物デッサンの方が、じっくりと描くことができますからね。
また、第3章も、かなり重要な章となっています。
デッサンでは描きにくいもの、表現するのが難しいものを中心に、解説しています。
まずは、第1章で解説されていることを、じっくりと学ぶ方がいいでしょう。
ここでは、章タイトルにあるように、
・物をしっかりと見つめる「観察」から、
・それを自分の頭の中でどのように「認識」し、
・さらに、「描写」するか、
といった流れについて、解説しています。
デッサンの基礎を復習しつつ、応用への導きもしています。
例えば正六面体という、最も基礎的なモチーフの認識から、パースペクティブや質感の表現まで、解説しています。
丁寧に解説していますから、ここを読むだけでも、デッサンの基礎技術を復習することができます。
さらに、描くのに、少し難しいモチーフを題材に取り上げ、描写のポイントを解説しています。
デッサンの基礎技術が身についた後は、複雑な構造や質感などを、どんどんとデッサンして、スキルを向上させていく必要があります。
つまり、後は、実践あるのみ、ということです。
ただ、闇雲に実践をしても、応用的な技術を必要としますから、なかなか思うように描くことができません。
そういう時に、本書で解説された描写のポイントを押さえることで、応用デッサンに取り組みやすくなります。
こういったポイントを数多く知り、デッサンを繰り返して、腕を磨いていく。
そうすることで、本当のデッサン力が身につき、精密デッサンも、描くことができるようになるのです。
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