美大・芸大受験のためのデッサンについて

デザイン デッサン

 今回は、美術大学や芸術大学に入学して、デザインを学びたい、という人向けのお話です。

 そのためには、入学試験に合格する必要があり、その時、実技試験として、必ずと言っていいほど実施されるのがデッサンです。

 そのための対策や勉強方法について、お話ししたいと思います。

 とりあえず、今回は、志望理由や、美大や芸大でデザインを学ぶ是非は、わきに置いておきます。

 

 実は、この対策というのは、ある意味、非常に簡単で、単純なんですね。

 私が、ここで言うまでもないことなのですが、意外と、語られる機会が少ないので、改めて、ご紹介したいと思います。

 それは、一般の大学入試の受験勉強と、基本的な考え方は、同じです。

 つまり、過去問を調べ、それを勉強しましょう、ということです。

 

 もう少し、詳しく書いていきますね。

 例えば、自分が入学したい美大や芸大があったとします。

 その大学では、去年やその前、そして、過去にどのような実技の入試課題が出たか、調べるんです。

 そして、どのようなデッサンを描けば合格できるのか、というところまで調べます。

 そうすると、ゴールが見えますから、後は、それに向かって進めばいいわけです。

 今の自分の実力と、どれくらい違うかが明確になります。

 さらに、デッサン力をつけるには、どのようなテクニックを身につければいいか、ということもわかってくるわけです。

 そして、今、自分にとって必要なテクニックを学び、身につけていけばいいわけです。

 

 このように、美大・芸大の入試のためのデッサンの練習というのは、かなりゴールがはっきりしています。

 その分、やりやすい、とも言えるんです。

 

 こういうふうに、答えを聞けば簡単なことなんですが、案外、この点を見逃している人が多い。

 どうも、美大や芸大の受験って、特別なもののように考えている人が多いんです。

 まあ、マークシートを塗りつぶしていくような試験と違いますから、一見すると、難しく感じるようです。

 でも、その大学が、どのような試験をおこない、どのような実力を持った学生を望んでいるのか、ということを調べ、それにそった実力を身につけていく、ということだけなんですね。

 

 このように、ある程度、ゴールを明確にしてからスタートしないと、意外と回り道になり、時間がかかってしまいます。

 私は、基本的には、デッサンやデザインの技術を身につけるのは、ある程度、時間がかかるし、何も急がずに、楽しみながら、ワクワクしながら、自分のペースで学んでいけばいい、と思っています。

 ただ、受験が特別なのは、試験のスケージュールが決まっていて、高校生生活は限られている、という点です。

 本当に、ぼんやりしていると、あっという間に過ぎてしまいますから、ゴールを明確にして、できる限り、最短コースで駆け抜ける必要があるわけです。

 

 多くの人が間違いやすいのは、デッサンの基本的な技術を身につけて、それを磨いていけば、いつかは実力がアップして、合格できるようなデッサンが描けるようになる、と思っていることです。

 確かに、それも正しい道かもしれませんが、それでは時間がかかりますし、正しいゴールにたどり着けないかもしれません。

 

 受験用のデッサンに関しては、「上手なデッサン」よりも、「合格できるデッサン」が必要なんです。

 正直、デッサンの評価というのは、人により、さまざまです。

(あ、もちろん、あまりにも下手だと、十人中十人が、首を横に振り、不合格になりますが……)

 ある程度、上手なデッサンだと、評価がブレるんですね。

 なんといっても、デッサンの出来を評価するのは、人ですから、その人の考え方とか、好みとかがあるわけです。

 

 だからこそ、志望大学の過去の課題を調べ、合格したデッサン作品を参考にしましょう、ということです。

 そうすれば、どのようなデッサンが合格につながるのか、はっきりとわかるわけです。

 このように、明確にイメージできると、迷いが吹っ切れますから、デッサンの練習に身が入るわけです。

 

 受験用のデッサンは、特別、と考えておいた方がいいでしょう。

 目的が明確になっている分、やりやすくはあるんですが、ただ、自分の考えとあわないと、ちょっと、つらいかもしれません。

 しかし、ここは、まあ、そういうものだ、とわりきって、手を動かしていきましょう。

 意外と、受験用のデッサンを練習し、それを身につける期間というのは、あっという間です。

 その先に、自分が本当に勉強したいものがあるなら、そこは頭を切り替えて、さっさと通り抜けていきましょう。

 受験用のデッサンは、それくらい割り切って学んでいってもいいと思います。

 

 もし、基本的なデッサンを、効率的に学びたい、と思ったら、こちらを参考にしてみてください。

⇒『デザインのためのデッサン講座(考え方・初級編)』

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