デッサンは、やってみなくちゃ、わからない

デザイン デッサン

 「どうすれば、デッサンが、うまくなるのか?」

 このような悩みに答える場合、普通は、テクニックの話をします。

 例えば、形のとり方や、パースについて、または、陰影の描き方や、質感・立体感の表現方法などです。

 

 しかし、デッサンについて悩んでいる人の一部は、それ以前の問題だったりします。

 つまり、まだ、デッサンを描いたこともなければ、描くことに迷っている場合です。

 デッサン用の鉛筆を握り、画用紙の前に座ったこともない人たちです。

 

 このような人たちに、デッサンのやり方について説明する場合、もっと違った面から説明する必要があると感じました。

 つまり、デッサンのテクニック的な面ではなく、その、もっと手前の、デッサンにチャレンジすることの重要性について、話す必要があると考えたのです。

 なんといっても、デッサンは、実際に、少しでも描き始めないと、上達することはないからです。

 

 デッサンをはじめようか、どうしようか悩んでいる人には、とにかく、やってみよう、と伝えたいのです。

 おそらく、デッサンに対して、苦手意識を持っている人は、なんだか難しそう、と感じていると思います。

 

 確かに、デッサンの技法書などにある作品見本は、すごく上手です。

 しかし、あれは、あくまでも一つのゴールであって、すぐに、あれだけ、描けるようにならないといけないわけではありません。

 例えば、山登りをはじめて、全力ダッシュで、一直線に、頂上までたどり着けないといけない、というわけではないでしょう。

 同じように、デッサンも、すぐに見本作品のように描けないといけない、というわけではありません。

 順番に、デッサンのついての考え方や、描き方のテクニックを、学んでいけばいいのです。

 

 そのため、最初は、簡単で、やさしいテクニックから学んでいくといいでしょう。

 立体物の構造や、その描き方、または、影の表現の方法や、立体感の出し方などです。

 きちんとしたデッサンの技法書であれば、それらを、順番に説明しています。

 後は、そのテクニックを、実際に自分が活用できるように、練習すればいいわけです。

 

 しかし、それでも、難しく感じる場合もあるでしょう。

 技法書どおりにいかなかったり、何度も練習しても、上達しない場合です。

 そういう時は、思い切って、もっと簡単で、やさしい方法から、チャレンジしてみましょう。

 上達へのステップが高すぎて難しい場合は、それを、いくつもの段階にくぎり、それを、一つずつ、登っていけばいいのです。

 長いように感じる階段も、一段一段、順番に登っていけば、いつかは、ゴールへ到着します。

 デッサンをマスターするのも、これと同じです。

 

 怖がらずに、とにかく、デッサンの勉強をはじめ、描いてみる。

 そして、テクニックを学ぶ場合は、難しいと感じたら、簡単な方法から学んでみる、ということです。

 

 とにかく、デッサンは、自分で描いてみないと、わかりません。

 誰かが、かわりに描いてくれる、というわけでもないんです。

 自分で、自分自身で、描く必要があります。

 

 そのかわり、デッサンが上手に描けるようになると、気持ちのいいものです。

 画用紙の中に、自分の世界を、作り上げることができるからです。

 それは、世界中のどこにもなく、あなたの目の前にだけ存在します。

 あなたが、デッサンをしないと、生まれなかった世界です。

 

 ぜひ、デッサンを、ゆっくりでもいいですから、はじめてみて下さい。

 そうすることで、足りないもの、必要なものが見えてきます。

 後は、それを、順番に、解決していけばいいわけです。

 すると、いつの間にか、デッサンを簡単に感じるようになり、見本作品に負けないようなデッサンを、描けるようになっているでしょう。

 

 そのためのヒントを、まとめてみました。

⇒『デザインのためのデッサン講座(考え方・初級編)』

 

 

 

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