デッサンに必要なテクニックは、いくつもあります。
しかし、大事なポイントは、以下の4つになると思います。
それは――
●形
●光
●質感
●色
以上の4つです。
これらを、それぞれ表現できれば、デッサンを描くのに、苦労しなくなります。
別の言い方をすれば、一つのデッサンの中に、これらを、バランスよく使い分け、描いていくことが、大事なのです。
それでは、一つずつ、順番に、ご説明しましょう。
まず、「形」です。
これは、わかりやすいと思います。
丸いものは丸く、四角いものは四角に描く。
描いたものが、きちんと立体的に見え、遠近法にそって、描かれている。
形を正しくとらえ、それを表現する、というのは、デッサンの基本中の基本です。
まずは、「形」をきちんととらえないと、そもそもデッサンがはじまりません。
デッサンを学ぶ最初の段階は、いかに「形」を正しくとらえ、表現できるか、という部分に集中してください。
次が、「光」です。
これは、立体感を表現するために、必要な要素です。
常に、光がどこから当たり、どこに影ができているか、注意する必要があります。
光があたれば、当然、影ができます。
つまり、光だけが存在することはありません。
そのため、光と影は、ワンセットで考え、表現するべきでしょう。
また、光には、反射、というものがあります。
これを理解し、表現できれば、さらに、立体的な描写ができるようになります。
そして、「質感」です。
これは、デッサンをしている対象、つまり、物体が何でできているか、ということです。
それを、デッサンでは、表現する必要があります。
例えば、まったく、大きさが同じ正方形があったとします。
それが木材でできているのか、金属でできているのか、または、粘土でできているか、ということです。
それは、見た目ですぐにわかりますから、その違いを、デッサンでは、表現できなければいけない、ということです。
これは、工業製品をデッサンする時などは、特に重要です。
この質感を、きちんと、描きわけ、そして、上手に表現することができれば、デッサン力が、かなり向上します。
最後が、「色」です。
これは、そのままの意味です。
赤なら赤、青なら青、黄色なら黄色を、表現するわけです。
しかし、カラーの水彩絵の具を使って、デッサンをするならまだしも、黒一色の鉛筆デッサンで、どのように「色」を表現するのか?
そのためには、「色」について、知っておく必要があります。
つまり、色相ではなく、明度や彩度を意識して、「色」を描く、ということです。
イメージとしては、モノクロ写真やモノクロ映画、または、モノクロ・コピーなどを思い浮かべるといいでしょう。
色彩を持っている物を、いかに、白黒のデッサンで描くことができるか。
最初は難しいですが、慣れてくると、色の違いも、モノクロのデッサンで、表現できるようになります。
今の時代、色のついていない物の方が珍しいですから、「色」を描きわけることは、大切です。
デッサンに必要な4つの要素について、簡単に説明しました。
これからデッサンをおこなう時に、これらの要素を意識していると、よりデッサン力を向上させることができると思います。
もし、自分に不足している要素があると感じたら、その要素を表現する技術を、集中して学びましょう。
また、上手な作品例から勉強するのも、いい方法です。
コメント